お前が言えるのか?

競馬


「下に対策」にいら立つ李首相 果てなき不正と腐敗モグラたたき


「上に政策があれば、下に対策がある」――。
中国の古いことわざ通りの現実に、李克強首相がいら立っている。
規制緩和と権限移譲を進め、経済の効率を高めることは、これまでの成長パターンが限界に
達した中国にとって避けて通れない課題。だがいくら旗を振っても、あの手この手で変革を
避けようとする勢力が後をたたない。



■幹部に怒りぶちまける



それは、16日の国務院の幹部会議で起きた。「いくつかの地方や部門は仕事の手配は重要そう
にやるが、実施するときは手軽にやる」。地方政府や各省庁が自分の指示した通りに動かない
ことに対し、李首相が怒りをぶちまけた。「手を抜くな」という意味だ。

 


この日の会議は、国務院が16の地方政府と27の政府機関に査察チームを派遣し、改革への取り
組み状況を調べた結果をふまえて開かれた。「全体的にみれば積極的な進展がみられる」。
最初は事態を肯定的に評価してみせるのが中国の慣行。その後に続いた不満の言葉が会議の本題だった。

 


「手軽にやる」と話した後も、李首相の怒りは収まらない。「一部の幹部は責任感が欠如している」
「困難にあうと避けて通る」「なまけたり、手を抜いたりする」「形だけ実行するものがいる」。
これ以上は省くが、「積極的な進展」がうわべだけの評価だったことはこれで明らかだ。

 


じつはこの前日の会議でも、李首相は同様のことを指摘していた。「一部の役人に様々なレベルで
不作為の現象が起きている」。ここまで来ると、日本ならむしろ首相の執政能力の欠如を野党に批判
されそうなところだが、そこは一党独裁の中国。これだけストレートに政府を叱責しても、問題に
なることはない。

 


ここで見えてくるのは、政権を維持するために戦っているものの正体だ。一言でいえば既得権益層だが、
それが中央と地方の政府に遍在しているところに問題の深刻さがある。
社会の隅々に広がった不正と腐敗を相手にしたモグラたたきには果てがない。




■政権の命運かけた綱引き

 


政権の命運をかけた既得権益との綱引きは、約1年半前に習近平政権が誕生したときから始まった。
まずは厳しい倹約令を敷き、役人のぜいたくを戒めた。背景には、本来の収入では計算の合わない
華美な暮らしと消費への庶民の不満があった。

 


これに経済政策の面から切り込もうとしたのが、李首相が旗をふる規制緩和と権限移譲だ。
役人の持つ権力を小さくすれば、汚職も起きにくくなる。「腐敗が生まれる土壌を取り除く」。
李首相が16日の会議で語った言葉は、経済の効率を高めるための規制緩和と不正の根絶が不可分に
絡み合っていることを示す。

 


この会議と同じ日に政府が発表した4〜6月期の成長率は7.5%と、1〜3月期より0.1ポイント改善した。
とりあえず高い成長率は維持している。だがそれは政府が景気対策を小出しにしながら支えた結果だ。
政権が掲げる成長方式の転換が成功し、景気の悪化を防げたわけではない。

 


「このままではうまくいかなくなる」。権力の中枢にいるからこそ、李首相はその限界が分かっている
のだろう。だが「下に対策」が伝統の中国で、この危機感が共有されるだろうか。
国や政権の命運にかかわっているという思いを、中国の役人たちが持つ姿を容易には想像できない。



→ http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM22038_T20C14A7000000/?dg=1


[,w400]


「上に政策があれば、下に対策がある」
役人の腐敗は中国の有史以来の伝統と歴史ですね。
蛍の光、窓の雪♪ 科挙に合格して官吏になることは
本人の上昇志向もあるでしょうが、それ以上に高級官吏
になれば一族郎党の生活は安泰です。
過去の王朝体質を引き継ぐ現在の“共産党王朝”も
賄賂他の役人腐敗にまみれるのも当然のことです。
幾ら李首相が躍起になっても、お前の親族の資産は
幾らだ!正直に答えろ!などと詰め寄られれば、
黙ってしまうでしょうね。
中国は変わりません。 呪われた大地ですね。