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中国を去る富裕マネー 不満、腐敗あぶり出す



中国の大手国有銀行、中国銀行を巡って浮上したマネーロンダリング資金洗浄)疑惑。
海外に多額の資金を移動させる仕組みを使い、不正が行われていた可能性があるとされている。
実態は不明だが、今回の一件は富裕マネーが中国本土を離れたがっていることにあらためて光を当てた。



中国国営中央テレビ(CCTV)の報道で問題が指摘されたのは、中国銀行の「優匯通」という富裕層向け
海外送金サービス。中国では個人の外貨の両替に年間5万米ドルの規制がかかるが、このサービスを使えば
いくらでも資金を国外に持ち出せる。海外不動産の購入や海外移住の際に使用することができるが、なかには
出どころを明らかにできない「黒銭(ブラックマネー)」が含まれていた可能性があるという。

 


中国銀行は2011年にサービスを始めた。一部報道によると、これまでに200億元(3300億円)近くの資金が移動。
今年上半期だけで100億元に上るといい、足元で利用が加速していたらしい。この種のサービスは中国銀行
とどまらないため、全体ではかなりの金額に膨らむとみられる。

 


報道後、中国人民銀行中央銀行)が実態の確認に動き、中国銀行などはサービスを停止したもようだ。
香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは今回取り沙汰された仕組みは数ある海外送金システムの一つに
すぎないと指摘し、これで中国本土からの資金流出の動きが止まるわけではないと伝える。

 

背景にはカネを持った中国人の海外志向の高まりがある。今年春にかけて中国景気は減速感を強め、通貨の人民元
は大幅に下落した。上海株式相場はぱっとせず、不動産バブルの懸念は消えない。富裕層が政治リスクや環境汚染
問題もつきまとう中国から安全な海外に資金を移しておきたいと考えるのは想像に難くない。

 


中国の民間調査会社、胡潤百富によると、中国の富裕層のうち海外に移住した人や希望している人は64%と前年に
比べ4ポイント上昇した。66%が「中国国籍を捨ててもいい」と考えているという。多くが「資産の多様化のリスク分散」
を目的に海外投資を目指しており、移住したい国は米国とカナダ。
ロサンゼルスやサンフランシスコ、バンクーバーで不動産を購入するというのが、典型的な中国のお金持ち像となる。




全米不動産協会の統計は大量の中国マネーが米国の不動産市場に流れ込んでいることを示す。今年3月までの1年間の
中国人による米住宅の購入額は220億米ドル(2兆2000億円)と前年に比べ72%増え、外国人全体の24%(前年は19%)
を占めるまでになった。平均購入価格は59万米ドルと英国人を18%上回り、外国人では最も高い。しかも76%の中国人
が現金払いだ。

 


中国人が大好きなロサンゼルスの住宅価格はこの5年で4割近く上昇している。カナダのバンクーバー不動産協会によると、
高級住宅地のウエスバンクーバーの住宅価格は平均170万カナダドル(1億6000万円)とやはりこの5年で5割上がった。
カナダ政府は今年に入り中国人の投資移民の条件を厳しく改めた。

 



中国の富裕層でも「裸官」と呼ばれる腐敗官僚にいたっては、リスク分散の意識は格別かもしれない。
中国では妻子や金融資産を国外に移し、身ひとつで本土にとどまる官僚を「裸官」という。
汚職などで蓄えた財産を海外に逃避させたり、逃亡したりする恐れがあるものとみなされる悪いレッテルだ。
習近平政権は反腐敗キャンペーンに力を入れており、裸官の一掃が課題。
各省で裸官の実態調査を進めており、すでに広東省だけで1000人以上の裸官がいたことが発覚している。

 


生き馬の目を抜く中国共産党内は重用も失脚も上からの風向き次第。ひとたび足を落とせば、ため込んだマネーは
水の泡と消えかねない。中国メディアによると、中国最高人民検察院は昨年、容疑のかかった700人超の官僚を逮捕
し100億元(1600億円)を回収したという。

 


中国共産党の求心力の回復を狙い、習政権は反腐敗運動で体制のたがを締めるのに躍起。
党の宣伝媒体であるCCTVによる今回の中国銀行をめぐる報道も腐敗マネーの問題がからんでいるとみられている。
だが、たがを締めれば締めるほど、不満は跳ね返りやすくなるもの。
習政権の強硬策がマネー流出を止められるかはまだわからない。



→ http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXNASFL220IU_22072014000000



そりゃ金さえあれば、誰があんな国に住もうとするものですか、ねぇ。
水質汚染、土壌汚染、大気汚染、国土の砂漠化などの一連の環境破壊、
腐敗官僚にカネ次第の公安当局、一党独裁による圧政。
しかし、海外脱出組も現地で狭いサークルを作り、中国での生活上の
悪癖も持参するものですから、軋轢が起きない方がおかしいというもの。
現地では不動産屋以外では歓迎されていないようです。