中国崩壊へ

競馬


中国不動産バブル崩壊の足音、相場の波乱要因に



先週は中国経済への楽観論から円安・株高に振れる局面が見られた。
22日発表の5月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.7と景気判断の境目と
される50は5カ月連続と下回ったものの、前月比で1.6ポイント上昇と好転したからだ。
だが、中国経済の核心といえる不動産価格の下落は始まったばかり。予断は許されない。




上海の不動産会社では、大手でもリストラが始まった。
大手5社のうちの上海中原地産と徳佑地産はバックオフィス部門の人員を10%カットしようとしている。
北京でも米不動産大手センチュリー21の中国子会社、21世紀中国不動産で全体の15%程度の店舗の閉鎖
が始まっている。

 


地方では不動産会社の経営不安説も相次ぐ。深圳の不動産大手、光耀集団で資金繰りからとみられる
物件引き渡しの遅れが表面化した。北京の大手不動産の一部にも資金繰り問題が浮上しているとの現地
報道もでている。


 

不動産価格の下落が始まっている地方都市の中小不動産会社では「夜逃げ」同然に会社をたたむ事例も
頻発しているという。

 


こうした状況を踏まえ、米格付け会社ムーディーズは21日に中国不動産業界の格付け見通し(アウトルック)
を安定的から引き下げ方向(ネガティブ)に見直した。

 



いずれも、不動産価格の下落警戒感から売買が急速に細っていることの反映だ。
上海の不動産取引は4月に中古で1万7200件と前月比20%減少した。前年同月比では14%の減少となっている。

 


国家統計局の調べでは1〜4月の全国の分譲住宅販売面積は前年同期比6.9%減となっている。
不動産価格の下落警戒感から買い控えは全国に広がっている。

 


実際、中国国家統計局が発表した4月の全国70都市の不動産価格調査でも、新設住宅の価格は3月より4多い
8都市で前月比マイナス。横ばいも同8多い18都市となった。下落傾向が鮮明になり始めている。




中国銀行業監督管理委員会(銀監会)によると、3月末の銀行の不良債権比率は1.04%と年初比0.04ポイント
上昇した。これも不動産向け融資の焦げ付きが主因とされる。

 


野村証券中国経済に関するリポートで「中国の不動産バブルの調整は起こるかどうかでなく、もう始まって
いる。どこまで厳しくなるかだ」と指摘している。

 



問題は、不動産の不振が景気全体の足を引っ張っていることだ。鉄鋼、建設など広義の関連業種を含む不動産
国内総生産(GDP)に占める比率が20%と大きいからだ。

 



4月の鉱工業生産は前年比8.7%増と3月の8.8%を下回った。小売売上高も4月は前年比11.9%増と3月の
12.2%増加に届かなかった。中国経済が減速傾向をより強めているのは明白だ。

 


こうした状況を受け、人民銀行の劉士余副総裁は12日に住宅金融サービスに関する民間銀関係者を招いた座談会
を開き、初回住宅購入者に対する融資の拡大を指示した。
何もしないわけにはいかない状況に追い込まれていると言える。

 


だが、不動産大手の上海中原地産は「不動産不況のてこ入れには力不足」と評する。2月に中国政府がまとめた、
中小企業向けの減税や鉄道網整備支出の拡大などのミニ景気対策が不発だったということでもある。
「金融緩和以外では不動産価格の底割れは防げない」と早期の金融緩和を見込む外資系のエコノミストも増えている。

 


それでも、中国政府は簡単には景気刺激策の大規模な追加にカジは切れないだろう。
高い成長を追求すれば、所得格差の拡大が是正できないとの共通認識があるからだ。

 



習近平国家主席は4月に「GDP英雄は不要だ」と語り、成長重視政策への決別をはっきりと打ち出している。
景気テコ入れ策は避けられないとの見方は増えているが、それまでは、中国経済、とりわけ不動産状況が円や
日本株を含む世界の相場を揺さぶり続けることになるだろう。



→ http://www.nikkei.com/money/column/teiryu.aspx?g=DGXNMSFK2300P_23052014000000



日本のバブル経済も不動産バブルでしたね。
不動産価格は下がらない、という神話、というか
経験則を元に、不動産担保に対して評価額以上の
資金を貸し付け、その金で更なる値上がりを期待
して不動産や株などを買いマクリました。 
この連鎖こそがバブルの正体でした。
そして余りに行き過ぎた不動産価格の下落が始まり、
株などの金融商品の下落、そして何もかも下落。
そして地獄の10年が始まりました。
当時の大蔵省は金融引き締め策で、融資にも厳しい
制限をかけるなど、国を以ってバブル経済対策に
躍起になったものです。
メガバンクにも数兆円もの公的資金を投入しました。
何度も書いてますが、中国の不動産バブルは深刻です。
何故か? 投資額が戻ってこないからですね。
中国各地に林立する人が住まない、ゴーストタウン、
マンション群に投資した資金は戻りません。
投資に一役買った銀行も、不良債権に計上です。
金融機関の財務諸表の悪化は、中国経済に直撃します。
中国政府は不動産バブルに無策を決め込んでいますが
気付いた時には、片足を棺桶に突っ込んでいるのかも
しれませんね。