株安→円高→株安、ちらつく「負の逆回転」
日経平均の急落を背景に、23日の東京外国為替市場で円高が進んだ。
株価と為替相場の関係について、一般に「円高→株安」という関係が意識されがちだが、
「株安→円高」という逆の関係も存在する。
下手をすれば、「株安→円高→株安」という負のスパイラルに陥りかねない。注意が必要だ。
23日の東京外為市場では、午前中には円安が進み1ドル=103円台に下落したものの、午後
になって上昇に転じ、101円台を付けた。背景には午後に入って株価が急落したことがあった。
日経平均株価の終値は1100円以上下落した。
株安が円高を招くメカニズムとしては、まずリスク回避の円買いがある。市場参加者がリスク
に敏感になると、超低金利の円を借り、それで比較的金利の高い外貨を買う「キャリー取引」
の巻き戻しが発生。円高が進むというわけだ。ただ、もうひとつ重要なメカニズムがある。
海外投資家がヘッジの円売りを解消する動きだ。
一般に海外投資家は保有する日本株の一定割合に当たる額について、円安に備えたヘッジの
円売りをしておく。ヘッジの円売りは、日本の株価が上昇し、海外投資家が保有する日本株
の価値が増えれば増えるほど、拍車がかかる。この結果、「日本株高→円安」というメカニズム
が働くわけで、これまで日本市場では「円安→株高→円安」という好循環が起きていた。
だが、逆に株価が下がると、このヘッジの円売りを解消する動き、つまり円買いが出始めても
おかしくない。そうした思惑が広がれば広がるほど、円買いも進む。
年初来のアベノミクス相場は海外勢主導で進んできただけにヘッジの円売りも膨らんでおり、
その分、日本の株価下落が進んだ際の「ヘッジ解消のマグニチュード」も大きくなる。
「株安→円高」というメカニズムを軽視できないのは、これが「株安→円高→株安」という負の
スパイラルに結びつきかねないからだ。
そうなると、これまでの「円安→株高→円安」という好循環が逆回転し始める恐れがある。
株価と為替との相互作用には注意が必要だ。
→ http://www.nikkei.com/markets/kawase/kawase-focus.aspx?g=DGXNASFK2301F_23052013000000
週刊誌や新聞などで、日経平均2万円は早ければ6月にも…
なんて記事を読んでいた御仁には、思いっきり冷水を浴びせ
られた今日の下げですね。
昨日も思ったのですが、「日経平均株価」は株価指標として
適切でしょうか。
昨日は上がった株より、下げた株の方が多かったのに、
日経平均は200円を超える上げ。
このうち、ファストリテイリング株だけで114円の上げ。
日経平均株価に対して影響力の大きい特定の株価に左右される
指標はやはり問題でしょう。
代表的なところでは、ファストリテイリングやソフトバンク
などですね。
日経平均株価は、日経平均株価先物というバケモノもリンク
します。この先物の売買が、その日の日経平均株価を決めると
いっても過言ではないでしょう。
日本の株式市場は、転換期を迎えることになるのかもしれません。