米、クアッドで中国海洋進出に対抗
島嶼国引き寄せへ
バイデン米政権は24日の日米豪印の協力枠組み「クアッド」の首脳会合で、
インド太平洋で海洋進出を強める中国の影響力をそぐ戦略を進めた。中国漁船
を念頭に、違法漁業を追跡する新制度を設立。関係各国に貢献する「公共財を
提供する」(米政権高官)ことで、島嶼(とうしょ)国などを民主主義陣営に
引き寄せようとしている。
「今起きていることは民主主義と専制主義との闘いだ。確実に成果を出そう」
バイデン米大統領はクアッド会合の冒頭、そう力説した。バイデン政権は一連
のアジア歴訪の日程で「クアッドに強い熱意を傾けていた」(米政府関係者)
という。
クアッド4カ国は違法漁業追跡を含む海洋協力を強化することで合意した。米
政権は違法漁業を「太平洋の重要課題のひとつ」(国家安全保障会議のキャン
ベル・インド太平洋調整官)と問題視していた。
違法操業の中国漁船が外洋で行う乱獲に環境保護団体が懸念を表明していた。
乱獲の打撃を受ける島嶼国などから、クアッドの取り組みは歓迎されそうだ。
4カ国はこのほか、海運業の気候変動対策や、サイバーセキュリティーをめ
ぐる途上国支援、人材育成でも一致。4カ国が連携してインド太平洋で存在
感を打ち出し、勢力圏を広げる中国に対抗する狙いだ。
中国は南太平洋の島国ソロモン諸島と安全保障協定を締結。米政権は、中国
が軍事拠点を置くことを警戒している。米政権はソロモンへの大使館設置や
同諸島との戦略対話開始を決め、巻き返しを図っている。
中国は必ずソロモン諸島での軍事戦略を展開します。
ここを拠点の一つとして、西太平洋への覇権主義を進めるでしょう。
太平洋に立地する島嶼諸国を、これ以上、中国側につかせないこと。
間違っても中国に太平洋を我が物にさせてはなりません。