マイナス金利に暗中模索

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マイナス金利合戦が開始されるのか?



本日は日経平均が15000円を割っています。
円高のペースも急すぎますね。
そこで、麻生財務大臣は、「昨今の金融市場の状況を踏まえた政策協調について検討を
進めたい」なんて言っていますが...政策協調が果たして可能なのでしょうか?



というのも、日本は、どうにかしてこの円高圧力を封じ込めたいと考えているのでしょう
が...対する欧州や米国は、円高を問題視していないどころか、彼らもさらに緩和策を強
める可能性があるからです。

 


イエレン議長が議会証言に立ち、盛んにマイナス金利について議員たちから質問を受けて
いるのです。
ゼロ金利を撤廃して、次の利上げは何時になるのかが関心の的になっていた米国で、利上
げどころか、ゼロを通り越して、マイナス金利を導入する気はないのかと質問されている
のです。

 


つまり、米国としては、欧州や日本がマイナス金利を導入しているなかで、米国が黙って
いていいのかという思いがあるのです。
そんな思いを抱いている米国と、どうやったら政策協調などできるでしょう?

 


例えば、円高を阻止したい日本としては、米国が利上げをすれば円安に振れる可能性がある
訳ですが、世界的に株価が下がるなかで米国が利上げを急ぐなんて考えられません。
逆に、米国が景気のテコ入れのために再度ゼロ金利に戻すなどすれば、それは円高をもた
らす訳ですから、日本としては歓迎できません。

 


いずれにしても、イエレン議長がどんなことを言ったのかを紹介しておきます。



<イエレン議長の発言>


・We had previously considered them and decided that they would not work well
 to foster accommodation back in 2010.

「我々は以前、2010年のことだが、それ(マイナス金利)について検討したことがあり、
 緩和策として巧く機能しないであろうと判断した」



・In light of the experience of European countries and others that have gone to
 negative rates, we're taking a look at them again because we would want to be
 prepared in the event that we needed to add accommodation.

「欧州諸国や他のマイナス金利を導入している国々の経験に鑑み、もう一度調査している
 ところである。緩和策が必要とされた場合の準備をする必要があるからだ」



・I am not aware of any legal restriction that would mean that we could not
 establish negative rates, but I will say that we have not looked carefully at
 the legal side of this.

「マイナス金利は導入できないとするような法的規制が存在すると承知していないが、
 マイナス金利の法的な問題についてまだ注意深く調べている訳ではない」



・Financial conditions in the United States have recently become less supportive
 of growth, with declines in broad measures of equity prices, higher borrowing
 rates for riskier borrowers, and a further appreciation of the dollar.

「米国の金融情勢は、最近になって成長に寄与するものではなくなってきている。株価が
 下がっているし、信用力の低い借入人の借入金利は上がっているし、ドルがさらに高く
 なっている」



・A lot has happened since then. But I have not thought that a downturn sufficient
  to cause the next move to be a cut was a likely possibility, and we've not yet
 seen, I would say, a shift in the economic outlook that's sufficient to make that
 highly likely.

「そのとき(ゼロ金利を解除したとき)から多くのことが起きた。しかし、次に打つべき措置
 が金利の引き下げになるほど景気が下向いているとは思っていないし、また、金利引き下げ
 の可能性が高くなるほど景気の見通しが変化してもいない」




・We haven't finished that evaluation. We need to consider the U.S. institutional
 context and whether they would work well here. It's not automatic. There are a
 number of things to consider.

「我々は、まだ評価を終えていない。マイナス金利について米国の制度との関係、そして、
 それが米国において機能するのかを検討する必要がある。自動的に決まるものではない。
 検討すべきことが多々ある」
 
 


今すぐ、米国がマイナス金利を導入するとは思えませんが、しかし、導入しないとも言って
いないのです。
ここのところ毎日のように言っていますが...マイナス金利なんて尋常ではないものを導入
するから人々は不安になってしまうのです。
株価にばかり目が行っているから判断を誤るのではないのでしょうか。



http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2016/02/12/025259.php



マイナス金利とは・・・。は、既に皆さまご存じの通りです。
簡単に書くと、銀行が日銀当座預金に預ける際に、ありがたい
ことに 0.1%の金利を払わなくてはならない制度です。
直接的に、銀行対企業、銀行対個人を縛るものではありません。
で、そのマイナス金利がもたらす影響に、皆が暗中模索、疑心暗鬼、
懐疑的になっているのです。
そりゃそうでしょう、日本の金融史上メッタにない政策だからです。
影響は銀行だけ? 
銀行の貸出利率低下? 
銀行の預金制限?
こんなに金利が低下して誰得? 
銀行が被る逆ザヤ分を貸出金利に上乗せするんじゃないの? 
金利が低下しても景気の先行き不安で積極的に設備投資なんかしね〜よ! 
住宅購入?会社の先行きが分からないのに借金なんか背負えるかよ! 
とかなんとか...。
>黒田日銀総裁、金融市場動揺
>「日銀のマイナス金利影響したと考えていない」
東大卒・元財務官僚、財務官で退官。 国民のほとんどはこれほど
頭脳明晰ではありません。だから市場も動揺を隠せないのです。
金融市場は“分からないもの”ほど嫌がることはありません。
いっそ悪材料が出ても、それで終わりなら“悪材料出尽くし”で
逆に安心するのです。
出したばかりで面子にかけてもすぐには引っ込めないでしょうが、
日銀政策決定会合では激論で、5対4での可決。
過ちては改むるに憚ること勿れ