危険な賭け【追記】

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日銀、劇薬の「マイナス金利」 株高へ危険な賭け



景気の減速感が強まり、世界的に金融市場の動揺が続く中、日銀がマイナス金利の導入
を決めた。マイナス幅が小さければ、経済や市場への影響は限定されそうだが、日本
では経験がないため、想定される効果と副作用を整理する必要がある。



■マイナス金利の利点、投資や消費を促進し円安も
中央銀行に預金することで民間金融機関が中銀からもらっていた金利(付利)を逆に
中銀に支払うのがマイナス金利。その結果、本来、借りた人から貸した人に流れるはず
金利が、貸した人から借りた人に逆流する。

 


マイナス金利が市中で広がれば、借金する人はもうかるから、設備投資や住宅購入を促進
する効果が考えられる。巨額の借金を抱える国の財政も楽になる。個人消費を刺激する
ことも期待される。

 


金利差に着目した投機家の円売りが増え、円安を促す効果もある。
ユーロの総合的な実力を示す実効レートは14年6月から15年12月までに1割下落した。




欧州ではマイナス金利はめずらしくない。欧州中央銀行(ECB)は2014年6月以降、
金融機関が中銀に余剰資金を預けると手数料を課すマイナス金利政策をとっている。
スイスやスウェーデン政策金利もマイナスだ。




■マイナス金利の欠点、銀行に打撃・リスクオフ加速の恐れも
欠点は、まず金利収入を稼ぐのが本業の金融機関の収益を圧迫することだ。
融資先に金利を払う一方で、預金金利をそれ以上にマイナスにできなければ逆ザヤとなる。
株式市場では過去2年、三菱UFJやJPモルガン・チェースといった日米の大手銀行が
底堅く推移する中、ドイツ銀行クレディ・スイス、バークレイズなど欧州銀の下落率は
4〜6割に達し、欧州大手銀の間ではリストラが加速している。

 


投資マネーへの影響も軽視できない。付利の引き下げは、民間金融機関が国債を売って
その売却代金を中銀に預けるうまみを薄れさせ、結果的にマネタリーベース(資金供給量)
を増やすのを難しくする可能性がある。
マネタリーベースの減少は、過剰流動性をよりどころに続いた世界的な金融相場に影響を
与える。

 


マネタリーベースは、米国が14年8月の4兆700億ドル、中国は15年3月の4兆5000億ドル
をピークにいずれも減少に転じ、昨年12月には日米欧中の4極合計でも前月比0.7%減の
12兆8500億ドルとマイナスに転じた。マネー減少が年初以降の市場混乱の一因とみられる中、
日銀のマイナス金利導入は、一歩間違えればリスクオフ(株売り)を加速させる危うさを
秘める。

 


うまみのある投資案件が乏しければ、銀行預金からタンス預金へという動きが強まり、結果的
に経済活動が低下する恐れもある。




■金融理論の根底揺らぐ懸念、企業の現在価値は無限大に
金融理論の根底も揺らぎかねない。アナリストが理論株価を弾こうとした場合、金利がマイ
ナスでは企業収益が変わらなくても株価の現在価値は無限大になってしまうと考えられる
ためだ。投資家の間で混乱が広がると、株式市場のボラティリティー(変動率)が急速に
高まる可能性も否定できない。

 


マイナス金利をきっかけに、家計が預貯金偏重から株式投資へと視線を変えれば、海外投資
家頼みの東京株式市場が、個人投資家が主役の市場へと姿が変わる可能性はある。
マイナス金利は個人金融資産約1700兆円が投資に向かう契機になる可能性を秘める一方、
市場や経済に混乱を招きかねない劇薬といえる。




http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXLASFL29HGG_29012016000000


金を借りた者が勝ち!?


マイナス金利、何じゃそりゃ!?
理屈では理解出来ても、頭の中の整理がつきません。
当然のことながら実感も湧きません。
少なくても今日の株式市場を見ると、大手不動産株が爆上げで
大手銀行が爆下げから小幅安までに値を戻しました。
個人的には不動産というか、土地取引に絡む業態には、余り
いい感情を持っていません。
80年代のバブル期を学生時代といえども、土地神話による
“土地ころがし”商法が幅をきさせて、実に不健在なことだと
いう思いが頭に残っているからでしょう。ま、それはさておき。
何よりも奇奇怪怪なのが
「融資先に金利を払う一方で、預金金利をそれ以上にマイナス
にできなければ逆ザヤとなる。」ですね。
中央銀行が金融機関の首を絞めてどうするのか。
もっと身近なことでは、誤解かもしれないけど、銀行預金の利子が
チャラになって預金手数料を取られるのか?
それで金が株式市場や商品市場に流れる? 阿呆らしい…。
「マイナス金利が市中で広がれば、借金する人はもうかるから、
設備投資や住宅購入を促進する効果が考えられる」
これが正常な経済活動でしょうか。健全なのでしょうか。
日本人の経済倫理が大転換してしまうのでしょうか。
保守的な私にとっては、このスキームでまた、日本人の
経済観念がおかしな方向にいかないか心配ですね。



マイナス金利 [negative interest rate]
借り手が貸し手に金利を支払うのが普通だが、貸し手が借り手に金利
を支払う状態。銀行間で必要な短期資金を融通し合うコール市場では、
2003年1月に初めてマイナス金利による取引が成立した。
外国銀行が邦銀との円とドルの交換取引で円を安く仕入れることが
できたため、余った円をマイナス金利で融通しても最終的に利息収入
を得られる状態になったことが背景にある。



【追記】

そうかそうか、勘違いしてました。
マイナス金利は、「銀行⇔日本銀行」間のことであって、「銀行⇔民間・個人」
の間では成立しないのですね。
徐々に情報を集めつつ、冷静になってきました(冷汗)。
しかし、日経平均株価の乱高下は、それだけマイナス金利政策が分からない、
ザラ場中という短期間では、この先の見通しが立たなかったんですね。
意外と大口の投資家も、マイナス金利というものが分かっていなかった。
であるならば、不動産株の暴騰も、少し勇み足でしたかね。

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