野党の世界観、国家観伝わらず
自民1強は変わらず
これでは衆院選での野党共闘も、選挙後の野党再編も求心力が働きそうにない−。
1日の日本記者クラブ主催の党首討論会を見ての率直な感想だ。
本来ならば野党の盟主役であるはずの民主党の海江田万里代表の議論は覇気がなく曖昧だった。
また、憲法など国の根幹にかかわるテーマはあまり論戦の対象にならず、何度も聞いた各党の
主張が漫然と繰り返された印象だ。
「この強権政治をこのままさらに4年間続けるのか。それともその方向性を変えるのか」
海江田氏は討論会冒頭、安倍晋三政権を批判してこう強調した。とはいえ、再び政権交代を
果たそうという意気込みは伝わってこない。「常在戦場」といわれる衆院での候補者擁立が
進まないことについて、記者に「2年間何をやってきたのか」と問われると、こう答えるのが
やっとだった。
「民主、維新、社民、生活ともすみ分けはしている。そういう勢力を全部集めて、自民党の過半数
割れを何としても実現するという思いは今もある」
翌2日には衆院選が公示されるという段階で「思いは今もある」と言うようでは話にならない。
民主党は肝心の政権公約(マニフェスト)についても、相変わらず財源が伴わない「画餅」である
ことを露呈する場面があった。民主党が公約で「最低保障年金の創設」を掲げたことに関し、
こんなやりとりがあった。
安倍首相「導入すると、当時の民主党政権の皆さんも新たに5%の消費税引き上げ、12兆円が
必要だと言っていた。12兆円をどうするのか」
海江田氏「どういうプランを立てていくか。これは財政の黒字化の問題もあるから、その問題も
併せて検討しているところだ」
何の答えにもなっていない。民主党は政権交代を果たした平成21年8月の衆院選公約で月額7万円
の最低保障年金を約束したが、政権担当後の23年2月の段階でも「数字の面ではまだ確定した案
にはなっていない」(当時の菅直人首相)とノープランのままだった。
今回も反省なく、同じ轍(てつ)を踏もうとしている。
こうした民主党の甘い姿勢には、衆院選で「すみ分け」を行う相手である維新の党の江田憲司共同
代表もこうクギを刺した。
「民主党がいう分厚い中間層の復活、子育て支援、介護報酬のアップなどはわれわれも賛成だ。
しかし、財源をどうするのか」
一方、衆院選後、現実の政治課題として浮上するとみられる憲法改正については、次世代の党の平沼赳夫
党首が首相に「自主憲法に対して今後どういう進め方をしていくか」と問うた。
ただ、他の党首は首相に直接考えを問いただそうとはしなかった。
集団的自衛権行使の一部容認に関しては過去の議論の蒸し返しはあったものの、ようやく実現した日中
首脳会談に関しては、野党は誰も言及しなかった。
政府・与党が緊張感を持って政権運営にあたるには強い野党の存在が必要だとされる。
ただ、全体的に野党党首の言葉からは世界全体を見渡した上での「国家観」や、日本をどこへ導こうと
しているのかは鮮明にならない。
→ http://www.sankei.com/politics/news/141202/plt1412020004-n1.html
アベノミクスの恩恵は輸出型大企業に株式投資家など限られた
層にしか波及してません。
GDP年率換算▲1.6%、前回の家計調査でも個人消費は
落ちています。賃上げも大企業のみで、大多数の一般有権者が
アベノミクスに疑問符を投げかけても仕方ない状況ですが…。
今回の総選挙で自民党が単独過半数を取るでしょうが、それは
自民党が勝ったのではなく、余りに頼りない野党が負けたという
ことでしょう。
安倍政権に対抗するような政策もなく、国家の運営を任せられる
人材もなく、国防・安全保障については危なっかしくて、とても
任せられないということですね。
立会演説にしても安倍首相は大勢の人が駆けつけますが、民主党の
海江田、菅、野田などの演説に、立ち止まる人はいません。