『中国当局の緊急経済対策、事態の深刻さを助長するだけ』
中国当局が今週、国内需要拡大のため2010年末までに総額4兆元(約57兆円)
規模の投資を実施する緊急経済対策を発表した。
これについて、米プリンストン大学の中国問題専門家、米誌「当代中国問題研究」の
編集長・程暁農博士は、中国経済問題の根本的な原因は中国の経済構造の不合理および
企業素質の低さにあるとし、今回の経済対策は「火に油を注ぐように」、
まさに事態の深刻さを助長することになるとの見方を示した。
同氏は、中国経済は総合的に見ると深刻になる一方であり、緊急経済対策は中国の経済問題を
解決するどころか、政府が新たな巨額債務を背負ってしまうことになると警告した。
「中国経済の真の問題は、経済構造の深刻な奇形化にあり、すなわち、経済全体は輸出に偏っていて、
外資企業を過剰に頼ることだ。それと同時に、政府の投資項目も過剰に行っている。
企業および製造業は中国国内では競争力に乏しく、自己では正常に生存して行くことができないし、
市場開拓もできない」。
程氏は、弊紙記者の取材の中、中国経済の問題点についてこのように指摘した。
また、中国経済が直面している深刻な問題は昨年にすでに様々なことで現れていたとし、
当局は最近にようやく状況の深刻さに気付き、対策を打ち出したという。
しかし、中国の中央および地方財政はすでに困難に陥っていて、大々的に市場経済を救うために
大量投資する体力はないはずだと程氏が指摘した。
「現在、政府の急務とは、資金を何に投資するかの問題ではなくて、投資する資金はあるかの問題だ。
中央財政は今年の9月より財政赤字が現れた。地方財政の場合も、大部分の都市で土地の賃貸収入が
大幅に減少したため、多くの都市の財政も困難に陥っている。過去の負債に加えて、
今年の財政収入が激減したことから、来年の状況はさらに深刻になる」
と分析した。
氏は、今の時期に株市場に投資する高リスクを警告した。
「中国の株式市場は投機性の非常に高い投機市場であるため、今回の経済対策発表後の株式高騰は
何の問題説明にもならない」、
「どこかのお馬鹿さんがこの時期に多くの株を購入し、将来は大損を被りたいなら、それはその人の選択だ」
と皮肉った。
さらに、
「中国の経済状況について、今こそ、その結論が出ている。すなわち、ますます悪化することだ」」
と示し、
「中国当局はすでにやり繰りがつかなくて、にっちもさっちもいかないところまで陥っている。
この状況下、中国の政治変化も予測はつくのだ」
と経済危機による政権崩壊の可能性を指摘した。