宗主国・属国 ここに完成

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北朝鮮は中国に捨てられた…習近平が狙う「中韓歴史認識同盟」
朴槿恵が有り難がる中国の「韓国の正統性」のお墨付き



日本人には理解しにくいが、「正統性」は韓国の政治で最も大切な儒教的価値観である。
南北朝鮮は、国家の正統性を巡る戦いを続けてきた。中国の習近平国家主席は7月3日と4日
に韓国を訪問し、韓国の正統性を支持した。同国家主席は、中国と韓国が共に日本帝国主義
と戦った仲間であると述べ、「中韓抗日記念式典」を提案した。
これは「中韓歴史認識同盟」構築を意味する。



中国と北朝鮮は、朝鮮戦争で共に戦った同盟国であった。
韓国は、長い間「中朝共同の敵」であった。

 

ところが、中国の習近平国家主席は、これまでなら、決してあり得ない外交を展開した。
この1年数カ月で、韓国の朴槿恵大統領とは5回の首脳会談を行った。一方、北朝鮮金正恩
第1書記とは、一度も首脳会談を行っていない。そのうえ、韓国を先に訪問した。
中国は、南北朝鮮との「三角関係」で、明らかに韓国を大切にしている。そして、北朝鮮
正統性を意図的に否定している。

 


習近平国家主席は、中国首脳として初めてソウル大学で講演し、両国の友好的な歴史関係を強調
した。同国家主席は、「両国の歴史をふりかえれば、美しい記憶が多い」と述べ、中国で27年間
独立運動を展開した金九の名前や、中国人民解放軍の軍歌を作った韓国人などの名前を一人
ひとり挙げた。

 


豊臣秀吉朝鮮出兵や日本軍のアジア侵略に言及し、「両国民は、日本の侵略に苦しんだ時期が
ある」と述べ、「日清戦争の際に、互いに助け合った」と強調した。

 


北朝鮮は、中国に捨てられたと感じているだろう。北朝鮮の報道機関は、習近平国家主席の韓国
訪問をまったく報道しなかった。中国の「心変わり」に、怒り狂っている様子がありありだ。




大韓民国の正統性は中国にある

 


習近平国家主席朴槿恵大統領との単独会談で「来年は、抗日戦争勝利と朝鮮半島の『光復(日本
からの独立)』70周年であり、共に記念活動をしたい」と提案した。
この式典は、本来は北朝鮮と行うべきものだが、中国は韓国にまず提案したのである。

 

この会談の内容は非公開の約束だったが、中国のテレビ局が報道し、韓国大統領府はややメンツ
を失った。

 


中国が、韓国に「歴史認識」を強調したのには、理由がある。韓国の識者たちは1945年の独立以来
「国家の正統性」についての「歴史認識」を巡り、論争を続けてきた。
左翼は「日本軍と戦闘した北朝鮮にこそ、正統性がある。韓国の指導者は、戦争していない」
と今も主張し、強い支持を得ている。
保守派は、金九らによる中国での「大韓民国臨時政府」の活動を根拠に正統性を主張している。

 


習近平国家主席の発言は、保守派による「大韓民国の正統性」を支持するものであった。
中国の国家主席が、「大韓民国臨時政府」の中国での活動を認め、「共に帝国主義と戦った」と、
お墨付きを与えたのだ。
国家主席は韓国の「弱み」を十分に理解し、韓国人の心をつかんだ。

 


実は、朴槿恵大統領が安重根――伊藤博文を暗殺した――の記念館建設を中国に求めたり、中国で
活動した大韓民国臨時政府が使用した建物の保存を求めたりしたのは、「大韓民国の正統性」を
確立するためであった。それは、結果として「反日」の行動につながる、と中国は理解した。

 


北朝鮮は、北出身の安重根を民族の英雄として扱ってはいない。もちろん金九と大韓民国臨時政府
も否定している。このため、中国は北朝鮮に配慮し、朴槿恵大統領の要請に応えることを当初は
躊躇したが、習近平国家主席の決断で実現した。




■韓国は「米中のジレンマ」に直面

 


中国は、朝鮮戦争北朝鮮を支援し、韓国を侵略した歴史がある。近代史では、北朝鮮の指導者と
共に「帝国主義」と戦ってきた。
多くの韓国人が、中国軍に殺された。中韓の指導者は今回、その歴史的事実にはまったく触れずに、
両国の「美しい歴史」を強調した。 歴史の「隠蔽」である。

 


朴槿恵大統領の願いは、中国で結成された韓国の「独立軍」の復権だ。父親の朴正煕元大統領は、
この独立軍に参加したとされているからだ。彼女の願いは、大韓民国の正統性回復と、日本の軍人
であった父親の韓国人としての名誉回復である。

 


習近平国家主席はその思いを十分に理解し、「中韓歴史認識同盟」に彼女を動かそうとしている
のである。韓国と父親の正統性の根拠は、中国にあるからだ。

 


同盟の理論に従えば、同盟には「共通の敵」と「共通の価値観」の2つが必要だ。
中韓歴史同盟」は、共通の歴史観(価値観)で問題はないが、日本を「共通の敵」にすると米韓
同盟が崩壊しかねない。米国は、「日本と対立しないように」と求めている。

 


習近平国家主席の韓国訪問は、「目に見える大きな成果はなかった」(韓国・中央サンデー紙)と
報じられた。だが、「中韓歴史認識同盟」に向け、日米両国から韓国を引き離す作戦はかなり成功した、
と言っていいだろう。韓国を、米国との「同盟のジレンマ」に直面させたからだ。

 


日本は、中韓歴史認識同盟に対し、戦後の日本がいかに戦争や侵略を反省したかを強調し、これまで
何度も謝罪した事実を、アジアと国際社会にしつこく繰り返し発信すべきだ。




重村 智計(しげむら・としみつ)
早稲田大学大学院国際コミュニケーション研究科・教授


ソース(日経ビジネスオンライン、重村 智計氏)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140707/268274/




https://www.youtube.com/watch?v=R3NWXPlXmGo:movie,w600


つまり、韓国は中国から独立国と認められながらも
抜けきらない事大主義により中国の属国に戻ったと、
ワケの分からない展開ですな。
日本は今後、世界でも1、2を争う性悪で悪質な国家
である中韓の、反日攻勢に対峙していかねばなりません。


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