傲岸不遜もあと少し

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李克強首相が英国訪問 「飴と鞭」の傲慢外交に批判



中国の李克強首相は16日英国に到着、3日間の訪問を始めた。
翌17日の午前にエリザベス女王、午後はキャメロン首相と会談した。



首相会談では、中国向けのエネルギー供給の拡大や、英国の高速鉄道原子力発電所への中国企業
事業参入の強化などが議論され、エネルギーや環境、金融などの分野で総額140億ポンド(約2兆
4千億円)規模の商談をまとめた。

 


一方、中国政府の傲慢な外交姿勢や、人権問題より経済関係を重視するキャメロン政権への批判も
高まっている。

 

「傲慢な外交」

 


「女王に面会出来なければ首相の訪問を取りやめる」と直前に英国にもちかけた中国政府。
結局、英国サイドはこの要求を黙認、17日李首相はウィンザー城でエリザベス女王と会った。
「女王は国家元首のみと面会する」という外交上の慣例を無視し、世界に対して中国政府の強い影響力
を改めてアピールした。

 


英政府筋は英タイムズ紙に「中国政府は強硬な交渉相手だ」と漏らしたという。
「中国の高官は外国訪問のとき、よく相手国に無知な要求を突きつけてくる」と英国メディアは冷ややかだ。

 


英タイムズ紙の報道によれば、今回、中国側は英国外務省に、両国の首相夫妻面会時のサマンサ首相夫人の
服装を事前に尋ねてきたという。
また、劉暁明中国大使は首相訪問の直前に「英国はドイツとフランスに続いて、欧州の三番目の国」と英国
軽視とも捉えられる言葉を発した。

 


英紙ガーディアンは「中国との強固な政治と経済関係を望むキャメロン首相だが、『わが国の経済力は強いから、
外交の常識を考慮する必要がない』とする中国政府の横柄な態度がみえみえだ」と評した。

 


中国政府の傲慢さは今回限りのものではない。
今年3月、欧州歴訪の習近平主席がドイツを訪問する際には、ベルリンのユダヤ博物館の参観を自ら要請した。
第二次世界大戦で中国を侵攻した日本をけん制する」という思惑の習主席に対して、ドイツ側は要求に応じな
かったとも報じられた。

 


09年12月、当時の習近平副主席が訪日した際にも、直前に天皇陛下との会見を強く要求してきた。
結局、日本側は特例として受け入れた。

 


「人権問題より経済利益を重視」のキャメロン首相に批判の声

 


人権問題を避けて、経済関係を重視するというキャメロン首相への批判も出ている。
李首相が英国入りしてから、クレッグ副首相は公に中国政府の人権問題を批判した。
副首相は「中国との経済関係はもちろん重要だが、人権問題を無視してはならない」とキャメロン首相に
注文をつけた。

 


両国関係は2012年にキャメロン首相が、来訪中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会談した
ことで冷え込み、最終的にはキャメロン首相が譲歩することになった。
去年訪中した首相は、経済関係強化を全面に打ち出し関係改善を図ってきた。

 


17日、英国首相官邸の周辺では午前8時から、中国の人権弾圧を抗議する団体が、李首相の到着を待っていた。
法輪功学習者らは「江沢民、羅幹、劉京、周永康に法的裁きを」「15年間続いた弾圧を停止せよ」の横断幕を
掲げていた。
また、チベットの団体は自ら手錠をかけ、チベット弾圧に抗議した。
一人の参加者は大紀元時報の取材に対して、「経済利益を人権より重視するのは、大きな過ちだ」と語った。



→ http://www.epochtimes.jp/jp/2014/06/html/d11896.html



17日、ウィンザー城でエリザベス女王
面会した李首相夫妻 (WPA Pool/Getty Images)