主権守り抜く具体策示せ
菅直人首相の所信表明演説に対する代表質問が衆院で始まった。
首相は中国漁船の領海侵犯に関連する尖閣諸島について「万全の警備を行う」と語った。
海上保安庁の警備体制の強化などは当然だが、首相に考えてほしいのは中国が尖閣の領有権
を主張した上に、日本にこれを認めさせようと力ずくの行動をとったことである。
尖閣の守りは極めて危うい状況にある。
これをいかに是正していくかに指導力を発揮しなくてはならないのにそうした姿勢がうかがえ
なかったのは極めて残念だ。
中国人船長の釈放について、首相は「検察当局の適切な判断」で決定したとの立場を崩さず、
国内法に照らして的確に判断されたとの見解を繰り返した。
漁船衝突事件の状況を海上保安庁が撮影したビデオ映像の公開についても、「捜査当局の判断」
待ちとした。
船長釈放で事実上、不起訴処分としたのにビデオ公開で捜査に支障を来すとは考えにくい。
中国を刺激したくないとの判断なのだろうが、主権を守る意識はうかがえない。
また判断を検察任せにする姿は再び政治の怠慢と映り、責任転嫁との批判は免れない。
自民党の谷垣禎一総裁は強制起訴が決まった小沢一郎元幹事長に対する証人喚問を要求した。
だが首相は「本人が判断し対応するのが望ましい」と語り、喚問の実現を促す意思をみせなかった。
鳩山由紀夫前首相の母親からの巨額の提供資金の使途に関する資料の公開についても「裁判などが
すべて終わり、首相を辞任した」と述べるにとどめた。
自ら掲げた「クリーンでオープンな政治」に逆行している。
衆参のねじれの下で政策を実現する前提として、衆院選マニフェストをどう修正するかをもっと
説明してほしい。
財政再建への考え方では「自民党と共通する内容も多い」と語った。
消費税増税の具体論を早急に示すべきだ。
一方、外国人参政権問題では、「安全保障上の問題を含め、さまざまな意見がある」と慎重な議論
の必要を認め、民主党の党員・サポーターに国籍要件を加えるよう検討すると述べたのは当然だ。
民主党が「政府の考えは分かっている」と衆院代表質問を行わないのは疑問だ。
与党として政策を質すのは立法府の責任である。
→ http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101007/plc1010070309001-n1.htm
何だか野党に下野して以来、本当に存在感が薄くなった自民党・・・。
野党第一党としての“責任政党”としての覇気も気概も全く感じられませんね。
しかし、国内外とも政治・経済・領土問題と、問題が山積みの現在、
希望的観測を一切排除して、現実とその対策を透徹・冷静に見据えて考え、
有効な施策を実施することが必要不可欠だと思いますが、民主党も自民党も
こんなんじゃ期待するだけ無理なようですね・・・。