透明な螺旋

競馬


今日は、職場で6日間与えられている夏季休暇のうち、3日目を消化。
別に、仕事はなくはないので出勤してもよかったのですが、弊社は決してブラック
ではありませんが、以前、労基署に入られて有難いご指導を受けた経緯からか、
夏季休暇と5日間の年次有給休暇の取得が義務付けられているので、半強制的に
「休め!絶対消化しろよ!」でしたので、初秋ですが、夏休みを取得しました。
あと3日間は10月に消化することになるのですが ...。


まぁ、それは置いておいて。
例によって、紀伊国屋書店本店で文庫本を漁っていたところ、まぁ積まれている
詰まれている東野圭吾さんの文庫本最新作「透明な螺旋」を購入。
私は、安部公房さんやフランツ・カフカのようなディープで決して万人受けしな
いようなワケワカラン作品が大好きですが、勿論、万人受けする東野圭吾作品も
大好きですね。特に、今作のガリレオシリーズ作品はね。


少々ネタバレしてしまいますが、Aの娘といえるBの娘C、つまりAにとっての
孫娘に当たるCが、同棲しているDによって酷いDVを受けていることを知った
Aの復讐劇に、Cを庇うEという登場人物が出てきまして、そのEと本作シリーズ
の主人公たるガリレオこと天才物理学者であり、難事件の解決はお手の物という
湯川学教授と警察が複雑に絡むというストーリーですが ...。
今回は、ガリレオシリーズで好評の科学的トリックの解明はありませんが、それでも
グイグイとストーリーに読者を引き込む筆は、毎度のことながら、お見事という他
はありませんね。ページ数が少ないこともあり、夕方から読み始めて夜には読破出
来る分量ですので、アッという間でしたね。
もう1回、読み返してみたいと思うのですが、何故、AとCの血縁関係がガリレオ
博士に分かってしまったのか、警察が気付かなかったのか ...。 読み返してみます。
文庫本には、短編小説も付随していますが、そちらは明日の楽しみということで。


東野圭吾作品の頂点ともいえるのは「白夜行」と「容疑者xの献身」だと勝手に
思ってますが、そのガリレオシリーズの「容疑者xの献身」での、真実は決して
周囲を幸せにするものではない、の裏返し的な作品なのでしょうか。
批評では、ガリレオこと帝都大学物理学教室教授である、ガリレオこと湯川学の
科学的トリック解明的なことがないので、不満たらたらのものもありますが、
今の本が売れない時代で、これだけの読者層を抱え、過去の作品も刷りを重ね
る作家は、あとは司馬遼太郎さんくらいなものかもしれません。稀有な小説家です。
これはこれで楽しめましたので、★★★★☆ ですね。