中国の経済と軍事費事情

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中国ジリ貧の低成長、それでも国防費を
増大させねばならぬ裏事情


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3月5日から中国で全国人民代表大会全人代)が開催されていますが、
そのなかで、中国の成長率目標が昨年の6.5%前後から、6~6.5%とい
う設定に引き下げられました。


2018年の成長率は6.6%ということでしたが、中国の統計数字が信用で
きないのは、周知のことです。よく知られているように、各地方政府が
発表するGDPの合計は中央政府の発表する全国GDPを大きく上回って
おり、地方政府によるGDP水増し疑惑が絶えません。


「中国的数字」は近代科学的統計とは異なり、古代からのドンブリ勘定
という文化風土をベースにしたものです。「白髪三千丈」「後宮三千人」
などはその典型であって、諸史経典にも概数しかなく、数字に対する概念
は、例えば毛沢東が大躍進時代に掲げた目標数値のように、国家指導者
でも「無知」に近いレベルなのです。


もともと、中国共産党自体が「絶対無謬性」の上に成り立っています
から、地方政府は中央政府の目標をもとに、自分たちの目標を定めます。
今回の中央政府GDP目標値が6~6.5%という設定になりそうだという
ことは早くから報じられていたため、地方政府の目標設定も、これに近
いものになっています。今年の2月段階で、製造業が集積する広東省
6~6.5%、江蘇省は6.5%以上と設定していました。


とはいえ、両省とも昨年の目標値は7%程度でしたから、下落傾向にあ
ることは間違いありません。明らかに米中貿易摩擦の影響が出ているこ
とは間違いありません。それでも6%程度の成長率というのはかなり高
い数字であり、この数字すら本当なのか疑わしく、0.6%程度だという
声や、すでにマイナス成長だと主張するアナリストもいます。


(中略)


中国の軍事費についても不明な点が多く、実際にはもっと額は大きくて
毎年2ケタ増だという説もあります。当然ながら、周辺諸国アメリカの
警戒心を煽らないためにも表向きの軍事費としては小さい額のほうがい
いわけですが、それでもこれほどの伸び率になってしまうわけです。


軍事費増が必要なのは、中国の覇権主義を加速させるためです。しかも
習近平は台湾併呑を掲げており、経済が失速するなかで、台湾併呑こそ
は「偉大な指導者」として名前を残すためにどうしても成し遂げたいこ
とだからです。経済が失速するからこそ「別の成果」を残さないといけ
ないのです。


とはいえ、中国では軍事費よりも治安維持費のほうが約2割多く、2017
年の時点で1兆2,400億元と、2019年の軍事予算をすでに超える規模です。
中国の中央一般公共予算は2017年で9.6兆元で、2019年度が約10兆元
程度だとしても、防衛費と治安維持費で2兆5,000億元程度とすると、
それだけで国家予算の4分の1にも達することになります。


しかも景気対策のための減税を打ち出しているわけですから、中国の財政
不足は明らかです。そもそも中国は内外の債務残高がGDPの343%にも達
しており、デフォルトを回避するために紙幣を大量に印刷しているものの、
それがインフレを招いて経済危機を呼び込むと警告するエコノミスト
多くいます。


しかし経済成長が失われた現在、中国共産党習近平にとっての正当性は
「抗日勝利」くらいしかありません。とはいえ、インターネットが発達した
現在では、日本軍と戦ったのは共産党軍ではなく国民党軍だったことはすぐ
バレてしまいます。


そうなると、軍事による領土拡大を果たしつつ、国内の不満分子を抑える
しかない。それが国防費と治安維持費の増大の理由なのです。
もちろんその結果、中国国内の医療福祉などへの対策費は抑えられ、人民
の不満はさらに増大していくことになるでしょう。


独裁国家は結局、軍事と警察によって国民を抑え、海外に脅威を撒き散ら
すことでしか維持できないわけです。


このメルマガで私は何度も主張していますが、米中貿易戦争は、単なる米中
の対立だけではなく、独裁vs民主という大きなテーマを内包しているのです。
そしてこの戦いにもし中国側が勝利するなら、民主主義より独裁のほうが、
自由より弾圧・統制のほうが統治システムとして良いことになってしまいます。


はたして人類はどちらを選ぶのか。経済成長率が逓減する中国において軍事
費と治安維持費を増大させざるをえないことの裏側には、そうした大きな
問題が含まれているのです。


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本当に中国が発表する数字は、眉唾ものですよね。
中国の国家統計局が発表する数字を鵜呑みにする人には
もっと意識レベルを上げろと申し上げたい。
記事にもありましたが、事実として軍事費の伸び率は公表
よりも高く、経済成長率は低いのでしょう。
何から何まで中国共産党政府の思うがママ。
一党独裁ですので、政府を非難する世論やジャーナリズムが
存在しないのも、中国共産党政府にとっては、都合のいいこと。
しかしキンペーさんは、本当に台湾を軍事的か政治的にか
併合するつもりなのかしらね。
キンペーさんは実は台湾どころか、西太平洋を手中にしたい
という野望があります。
過去に、米中首脳会談で、米国は東太平洋を手中にして、
中国は西太平洋を支配するという、とんでもない案を
提唱した実績がありますからね。
もっと身近な例では、中国は尖閣諸島占拠に対する野望を
捨てていません。日増しにエスカレートしていく様相です。