AIJ社長「だます気全くなかった」 (爆笑)

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AIJ参考人質疑 全く明らかにならなかった真実と 
露呈した国会議員のレベル


参考人各位におかれましては、本委員会にご出席を賜りまことにありがとうございます。今般のAIJ問題に関し、
参考人各位からご意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます」


海江田委員長の場違いとも思える丁寧な挨拶で始まった衆議院財政金融委員会のAIJ問題の参考人質疑は、悲しく
なるほど中身のないものだった。


参考人質疑を通して感じて明らかになったことは、AIJ事件の真相ではなく、国会議員の金融に関する知識の低さと、
勉強不足であった。これでは、委員会の「調査の参考のためにご意見をお述べ頂く」立場で、偽証罪に問われること
のない気楽な立場で「参考人」としての意見を述べるだけの悪党連中を追い詰めることなどほぼ不可能である。


「私共が頂いている管理報酬というのはHSBCが真正NAV(Net Asset Value=投信の基準価額)に基づいて頂いている
報酬でございます。9年間で頂いた報酬は約45億円でございます。さらに45億円からアイティーエム証券にお支払した
金額が、私どもがやった水増ししたNAVの0.5%ということでございまして約4年間、2007年4月から2007年11月の間に
約27億円支払っております。従いまして私共が9年会で頂いたお金は18億円でございます。それ以外に私共に入る余地
というのは全くありません」。


AIJ浅川社長は「報酬」に関する質問に対してこのように回答した(期間は言い間違え)。この証言を額面通り受け取ると、
事件の構図は、HSBCは多額の損失を反映した正しいNAVを提供していたが、AIJがそれを隠してNAVを偽装していたという
ものになる。


一方、アイティーエム証券の西村社長は、「運用パフォーマンスに疑念を抱かなかったのか」という質問に対して、
「新規の募集をしているときには、NAV、HSBCから送られてくるものと、当社にAIJから報告されるものが一致しておりました
ので、これは信頼できるなということで続けておりました」と証言している。


この発言が正しいとすると、HSBCがNAVを算出する段階で既に偽装が為されていた、つまり、HSBCが提供するNAVは、虚偽の
情報に基づいて算出されたもので、多額の損失を反映していないものだったということになる。


要するに、AIJ浅川社長の証言と、アイティーエム証券西村社長の証言は食い違っているのである。
この食い違いは、どこでNAVの改竄が行われた、という事件全体の構図を知るうえで非常に重要な部分。
しかし、知識不足、勉強不足の国会議員達はこうした矛盾をやり過ごしてしまった。
両者に対する質問者が違っていたことを差し引いたとしても、事件の核心部分に関するこうした証言の矛盾を全く突けない
国会議員が、幾ら参考人質疑を行っても真実に迫ることは出来ない。税金の無駄遣い。


また、もし質問者がネットで簡単に見られるAIJ投資顧問の「第22期事業報告書(2010年12月末)」を確認し、「投資顧問料」
収入が僅か2,420千円であるのに対して、「業務委託費」が77,076千円、さらには「営業外収益」が334,463千円も計上されて
いるというAIJ投資顧問の異常な収益構造を把握してさえいたら、「それ以外に私共に(報酬が)入る余地というのは全くあり
ません」という浅川社長の証言に対して、直ちにその矛盾を指摘出来たはずである。


知識不足、勉強不足の国会議員からは、当然のことながら、この問題の重要なポイントかもしれない「消えた海外投資家の
1800億円」に対する追及などは一切なされなかった。


「時間があれば…」と言いながら、長い前置きを繰り返したのち、「怒りの声に対してどのように感じているのか」「1100億円
返すことが出来るのか」「思いを聞かせて下さい」という、事件の核心とは全く関係のない感情論の質問を繰り返した元証券マン
の国会議員。


「私は証券マンですので、オプションの運用についてのプロではありませんから、オプションや先物取引は山一にいた19年間、
それからアイティーエム証券を作ってからの10数年間一度もやったことはありません」


約30年間も証券会社に勤務し、証券業に携って来たアイティーエム証券の西村社長は、「私は証券マンですので、オプションの運用
についてのプロではありません」と平然と証言している。


約30年も証券業界で過ごしている人間が、「オプション運用のプロではない」と開き直れる業界なのであるから、それよりも経験の
短い国会議員が、「あなたは加害者ですか、被害者ですか」、「あなたは年金運用のプロですか」、「2002年からずっともうこちら
表に出ているでしょ。これだけの損をして取り返せないって分かるじゃないですか。常識でしょ、はっきり言って。損を取り返そうと
思ったらもっと損するって。当たり前のことですよ」といった幼稚園生レベルの質問を繰り返したとしても致し方ないと諦めるべき
なのだろうか。


元証券マンの国会議員は、最後にこのような無意味な発言で質問を終えた。
しかし、今回の参考人招致で明らかになったことは、素人集団の国会議員が感情論を振り回すだけでは、「とことんまで追い込んでいく、
追い詰めていく」ことは出来ないということである。出来ることならば、次回参考人質疑をする際には、国会議員の代理として、金融
知識のある人物に質問をお願いするべきである。


衆議院財政金融委員会のメンバーの知識レベルの低さを思い知らされ、日本が「金融後進国」を脱するまでには相当な時間と犠牲が必要だ
ということを覚悟させられる参考人招致であった。


→ http://blogos.com/article/35090/


http://www.youtube.com/watch?v=bYe2ycskuFk:movie,w500


少し手の込んだ金融手法を使えば、例え国会で招致されても
追い詰められる心配はないので、ヤリタイ放題ってことですね。
今時、オプション取引など、デイトレを始めとして一般の投資家
だって知ってることなのにね。