四面楚歌にて孤軍奮闘

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China Quality を笑えない夕張 Quality です。

財政破綻した夕張市にて、北海道から見捨てられた夕張市民のために夕張医療センターを運営して、地域医療活動に従事している村上智彦医師の嘆きです。
メールマガジンからの転載です。

夕張市は、行政&住民とも、やはり一度は地獄に落ちて身の程を知る必要があるようです。
村上医師から見捨てられても、ど〜せ誰か何かナンとかしてくれると妄想しているのでしょうか?
こういう住民の質だからこの行政なんでしょうかね。


【夕張希望の杜の毎日】正念場
佐賀市木下敏之 mag2 0000253983 [mailmag@mag2.com]

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◇ 2.村上智彦が書く、今日の夕張希望の杜
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<正念場>

今月は夕張医療センターが開業して最大の危機を迎えています。


開業当初から行政の対応の遅れや、老朽化して充分なメインテナンスを
怠ってきた建物の補修、整備をしてこなかった医療機器の修理といった
事で莫大な損害を被ってきました。

例えば開業数か月でボイラーが故障して、その修理に90万円以上の経費が
かかりました。

公設民営という運営方法は、公が建物を提供し医療の方針を決めて、
運営を民間の指定管理者が効率的にやるというのが基本で、医療機関
診療報酬は2か月遅れで入るので、通常は最初に数億円の運転資金を準備
して民間の指定管理が運営しやすいようにするのが一般的です。もちろん
これは行政が住民の安全・安心を守るという気持ちがあればの話です。

夕張市財政破綻している関係で資金が無い、というか本来住民の安全
保障のためには資金を準備すべきだったはずなのですが、丸投げにして
しまいました。

暖房光熱費が以前は年間7000万円という莫大な金額でした。

これは燃料が石炭で無料だった時代の建物と暖房方法のままにしてあった
ためで、環境問題で炭酸ガスの排出を抑えようという今の流れからは
考えられないものです。

道庁や市はこれに対して暖房費を節約するための改修工事をしてくれ
ましたが、実際には専門家の分析で10%程度の削減にしかなりません
でした。

北海道のガラスメーカーであるフクソーガラスさんが断熱2重サッシを
寄贈して下さり、これによる断熱効果は30%であとは現場の節約により
暖房光熱費を節減しても年間5000万円にもなりました。

これは収入の12%位になり、通常の病院では暖房光熱費が5%程度で
新しい建物であれば3%程度という事を考えますと、とても運営を続けて
いける数値ではありません。

その分従業員の給与を抑えて苦労を強いて来ました。

もちろんこのような事は開業当初からある程度予想されたので、
契約時に話をしたのですが、当時の首長や役場の幹部職員は
「公的な医療機関は必要なので何とかします」といってぎりぎりまで
先延ばしをして、契約を結びました。

その方達は全員退職して、残った職員の皆さんは知らぬ存ぜぬを繰り返す
事になりました。

言い方を変えますと「欠陥住宅を嘘をついて売りつけて、契約書を盾に
入居者に補修を押し付けている」状態です。公設民営方式の公の役割を
全て放棄してしまっている訳です。

抗議をしたところ「人件費が高いからだ」「運営が悪いからだ」と
言われましたが、うちの法人は暖房光熱費が5%程度なら十分黒字に
なっています。

経営の専門家に運営状況を評価してもらったところ、
1年目にしたら十分に優秀で今後は黒字が見込めると言われました。

患者数も3000人を超えて在宅医療が増えて、10月には医師の数も4人に
増えて他の医療機関への支援も可能になる様な状況です。


しかし過大な維持管理費のために資金ショートしそうになっています。


今は夕張市、道庁、国に現状を報告して対応をお願いしています。
職員には住民の1人として他の住民の皆さんに正しく状況を伝えて、
住民自身がここの医療が必要なのか考えて声を出して欲しいとお願い
しました。

1人よりも70人以上いる職員とその家族が真剣に自分達の地域の将来を
考え、それを周囲に伝えることが必要だと思いました。

地域を守るのは最終的には住民自身です。
誰かに責任を押し付けて自ら行動しないと破綻するという事を経験して
いるのは夕張市民だけです。

まだ先は見えませんが、これが出来なければこの町は消えていくのだと
思います。行動せずに批判だけしているのは簡単ですが、その事が地域
を疲弊させているように私には思えます。

 医療法人財団 夕張希望の杜
   理事長 村上智彦

[ http://www.kibounomori.jp/ ]


wikipedia:夕張市  wikipedia:村上智彦