さよなら、ゴッちゃん

競馬

意外に大変。

意外に大変。



後藤浩輝騎手といったら皆さんどんなイメージを持ってるでしょうか?
(1)木刀
(2)かぶりもの好き
(3)お笑い発言
(4)大胆な騎乗
といったところでしょうか。



この本を読むことで彼の生い立ちや騎手になってからの行動がよくわかります。
7章で語られる彼の生まれ育った特殊な環境ですが、
小学4年の時父母が離婚。姉は母に預けられ、彼は最初、父と生活していたが、
父が首吊りに失敗して家に帰ってドアをあけると目の前に落ちてきたそうである。
「自殺なんか考えないでくれ」と泣きまくった数日後、彼は
息が苦しくなって目を覚ますと、父が首をしめていたそうです。
父が無理心中しようとしてるのがわかって、怖くて目が開けられなかったが、
思いとどまってくれて助かったようです。
それからというもの父に反抗を始めてプチ家出などもするのですが、
そんな関係に父もまずいと思ったのか休みの日に川につれていって久々の団欒。
しかし、これが裏目に出て前日に台風が上陸してて水かさが
増していて流れが速く、うっかり脚を滑らして彼は川に流されて
父も慌てて助けようとしたが、一緒に流されてしまう。
幸い助かっただが、彼だけが3日間の入院することになり
母に連絡。その後、彼は母と暮らすことになる。




しかし、引き取られた先では母は再婚しており、そこで彼の家庭内暴力
激しさを増す。
彼が暴れ出すと母が包丁を持ち出して「これで私を殺しなさい」と怒鳴る
こともしばしば。




そんな環境を帰るために母は彼と姉と一緒に九州へ帰る。
しかしこれは冷却期間で、再び相模原に帰ることに。
帰った先には新しい父はいなくなっていた。




新しい父との間に身ごもっていた母は、父と復縁し
弟が生まれる。しかし父とはほんの少しの間一緒に
住んだだけで、また別居。
母はスナックを開いて彼を育てるようになるのでした。




彼を騎手にしようと思ったのも母で、彼は当時
おニャン子クラブの渡辺美奈代のおっかけをやってて
親衛隊にも入っていて、競馬なんて全く知らなかったのである。
母はとにかく「手に職をつけなさい」ということで、姉は看護学校に進み、
看護婦になり、彼はフランス料理のコック志望だったそうである。
母が競馬学校のドキュメンタリーを見て、えらく感動して
進路指導の時に、母が先生に「浩輝は競馬学校を受験する」と
伝えて、先生も一緒になって大盛り上がり、しかし彼はその気に
なれなかったのだが、受験勉強だけは必死にやって合格した。




そうした愛に恵まれなかった家族の温かさを知らない境遇で
コンプレックスを持ち、「自分本位」の行動が出てしまうのだと。
そして「どんな人間なのかじぶんでもわからない」とも。
ひたすら真面目に考え込む自分と、思い切りおちゃらけてしまう自分、
それがいつも僕の中にありその時々でスイッチが切り替わるのだとも。
競馬がすべてではなく、彼は自分にまだ様々な可能性が
残されていると思っているそうです。
そういう点で「競馬がすべて」の武豊には追いつけないと。




その後の彼のアメリカ遠征記、伊藤正徳調教師との冷戦と仲直り
レースの予定がわかってて自分で体を作った馬ロイスアンドロイス、木刀事件、
ステイゴールド京都大賞典のことなどについては、この本を読んでください。




★それにしても後藤の奥さんの理恵さんってむちゃ美人だよなぁ。




★玉ノ井騎手の落馬死亡事故についても触れていて
レースにいく直前まで一緒に居たのが彼だったそう。
2週間くらい前から急速に親しくなってて「僕のオーディオを
お前に上げるよ」といわれてたそうで、「じゃ、行って来るわ」
それが最後の言葉だったとか。
運ばれてくる先輩に駆け寄ったら、もう玉ノ井先輩だとは分からないほど顔が
グシャグシャになってた。
僕はなにも言えず、立ち尽くすしかなかった。と。




そんなこともあって
ステイゴールドが進路妨害して、渡辺騎手がナリタトップロードで落馬した
京都大賞典後、騎手を辞めようかと本気に悩んだそうだ。




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https://www.youtube.com/watch?v=0GxpVIKWOC8:movie,w600



後藤浩輝騎手 最後の勝利
https://www.youtube.com/watch?v=qz_3b10ratc:movie,w600



後藤浩輝騎手 リハビリと復帰
https://www.youtube.com/watch?v=2JQVCrZstZU:movie,w600