中国が強めるメディア管理 記者への圧力、自殺者も
中国で今月、一人の記者の自殺が波紋を呼んだ。
記者は指導者の名前を書き間違えたことを批判され、悩んでいたという。
報道への規制が強まる中で、現場の記者が受ける圧力は深刻さを増している。
自殺したのは、四川省遂寧市に住む地元紙の男性記者(25)。その遺書が7月初旬、中国版ツイッター
「微博(ウェイポー)」に掲載された。「お父さん、お母さん、ごめんなさい。でもよく考えた結果なのです」
「生きる方が静かに横になる(死)よりも苦痛」
インターネットの複数のメディアは、記者が自殺する直前に四川省の秘書長の名前を記事で書き間違えたことで
内部の批判を受け、悩んでいたと報じた。記者の上司は自殺との関連性を否定した。
中国メディア関係者は「この記者は間違えたのが地方指導者だから批判ですんだ」と指摘する。
昨年、アモイ市の機関紙は中央政治局会議に関する記事で、習近平(シーチンピン)国家主席の名前を1文字
間違えたことで、2人の編集者が停職処分になったという。
同関係者は「事実を間違えるよりも、指導者の名前を間違える方が批判は深刻」と打ち明ける。
中国のメディアには常に「国家の管理」がつきまとう。ある大手紙記者によると、「新疆ウイグル自治区」
「北朝鮮」「ミャンマー」「南シナ海」など政治的に敏感なテーマについては自分たちで記事を書くことは
認められていないと明かす。
習近平指導部になり、メディア規制は強まる一方だ。国営新華社通信によると、政府のメディア管理部門は
今年1〜2月、全国の新聞やテレビ、通信社などの記者25万人に統一の免許更新試験を初めて実施。
合格しないと2014年版記者証は発行されなくなった。6月には、記者証を発行する際に、各社に対し記者
との間で秘密保持を徹底する「保秘承諾書」を取り交わし、「情報保秘協定」を結ぶことを義務づけた。
ある中国人記者は「記者を管理するのは中国では『正常』なこと。仕方ない」としつつ、こう指摘する。
「優秀な記者ほど、途中でやめてしまうケースが後を絶たない」
習近平政権は反習近平派の粛清を進めています。
人民解放軍のナンバー2である軍上将・党中央軍事委員会副主席
を失墜させ、上海閥の巨魁・江沢民元国家主席にも手を伸ばして
いるといわれています。
中南海は権力闘争の真っ最中。その中でマスコミに微かでも自由な
筆をすべらしたくないのでしょう。
反政府勢力が盛り上がっている「新疆ウイグル自治区」を記事に
するなど以ての外なんですね。
息が詰まるような社会になってしまいました。