いざ、日中海戦!

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尖閣諸島の領有権をめぐる日本と中国の対立が険しくなってきた。
中国側では公然と尖閣の軍事制圧を提唱する将軍までが登場してきた。
では万が一、日本と中国が尖閣諸島をめぐって軍事衝突をした場合、どうなるか。



アメリカの海洋戦略の専門家が論文を発表し、少なくとも局地戦では日本が勝つだろうという見通しを明らかにした。
論文を出したのは米海軍大学のジェームズ・ホルムス准教授(戦略研究専門)。八月下旬発行の大手外交雑誌
「フォーリン・ポリシー」9月号の「2012年の中日海戦」と題する巻頭論文だった。


ホルムス教授は米海軍将校として長年、活動し、戦艦「ウィスコンシン」の砲撃士官などを務めた後、学界に転じ、
タフツ大学で博士号を得た。海洋の戦略や戦闘の研究、さらには中国の軍事戦略の分析では全米でも著名な学者である。


同教授はこの論文で尖閣をめぐる日中両国の海戦はまず起きないだろうが、もし起きればどちらが勝つか、という
前提で、中国人民解放軍尖閣諸島の軍事占拠作戦を始めた場合の日本側の反撃による海洋戦闘の結果を占っている。


尖閣には日米安保条約が適用されるから、普通なら米軍が介入するが、同論文は米軍が政治や外交のなんらかの理由で
日本を支援できず、日中両国だけが正面衝突した際のシナリオを描き出した。


論文は次のような分析や予測を述べていた。

1 海洋戦力としては主要海上戦闘艦が日本側は48隻、中国側73隻、潜水艦は日本16隻、中国63隻などと、
 中国側が数量で圧倒する。


2 しかし戦力の質では日本側の艦艇、兵器などの機能が高く、とくに兵員の戦闘技術の水準が優越しており、実際
 の海洋戦闘では量の差を越えうる。


3 その一方、中国は中距離の地上配備ミサイルを多数、擁し、尖閣諸島やその後方の日本側基地を広範囲に攻撃できる
 ほか、とくに最近、開発された地上配備の対艦弾道ミサイル(ASBM)が日本側艦艇への重大な脅威となる。


4 だが日本側は中国軍ミサイルへの防御を堅固にし、尖閣をめぐる海戦には地上配備のミサイルや航空機の投入での
 戦力増強が可能であり、とくに88式地対艦誘導ミサイル(SSM1対艦誘導弾)を尖閣諸島や沖縄を含む周辺の
 諸島に地上配備すれば、中国側艦艇への強大な攻撃力となり、海上戦闘の帰趨を決定しうる。

 

以上の記述は、もし中国の人民解放軍が海軍を主力に尖閣諸島の占拠のための攻撃をかけて、日本側が反撃し、付近の
海域から東シナ海のよりひろい海域で艦艇同士の海上戦闘が展開された場合の日本側優位の予測をうたったわけだ。

 


その場合、日本側の政治、防衛のリーダーたちが「創造的な賢い判断を下し、適切な兵器を適切な方法で使う」ことが
前提とされ、その判断の一つが尖閣諸島などへの88式地対艦誘導ミサイルの地上配備だというのである。


ホルムス教授がその効用を最大に強調するこの対艦誘導弾は日本が70年代から開発してきた陸上自衛隊の高性能の艦艇
攻撃ミサイルで、射程200キロほど、地上や艦上から標的へと誘導できるうえ、大型トラック一台に6基の発射装置を
積んで自由に移動できる。


同教授は日本側が尖閣から同ミサイルをうまく発射できれば、付近の中国艦艇はみな壊滅されるとまで予測していた。
日本にとっての最大の課題は当然ながら、その実際の配備だろう。 

 

同教授の日中海戦シナリオはさらに以下の諸点をも強調していた。


 
1 日中両国軍が尖閣をめぐり実際に戦闘となった際に、日本側は必要な主要兵力をほぼすべて集中できるが、中国海軍は
 他の防衛海域が広大で、集中はできない。


2 日本側は単に尖閣防衛を貫けばよく、それ以上に中国軍を追撃して撃滅する必要はないが、中国側は実際に尖閣を占拠
 しなければ勝利とならない。


3 中国首脳はこの種の対日戦争が勝利できない場合に、自国の経済や外交の将来をかけた海軍力の破局をもたらしかね
 ないことを認識している。

以上の諸点からもホルムス教授は「この日中海戦での勝者は日本となる見通しが強い」との展望を明らかにした。
さらには「中国首脳がこの勝てないという展望をきちんと認識する限り、対日軍事攻撃に出ることはないだろう」
とも強調していた。


ちなみに尖閣諸島の領有権などを理由に日本と中国が海洋戦闘をすれば、日本側が勝つだろうという予測はアメリカの他の
専門家によっても、すでに語られていた。


記者(古森義久)は中国の軍事力をアメリカの専門家たちがどうみるかを調べるためにワシントンのその種の人物たちに
広範にインタビューした経験があるが、昨年の時点で大手研究機関のカーネギー国際平和財団のダグラス・パール副所長が
ホルムス教授と同趣旨を述べていた。


「もしも尖閣周辺海域などで中国と日本の艦艇同士が戦闘をすれば、中国側はみな撃沈されるだろう。日清戦争の際の
海戦と同じ結果が予想される」


パール氏は国務省やCIA(中央情報局)での東アジア担当官を経て、先代ブッシュ政権では国家安全保障会議のアジア
上級部長、ブッシュ前政権では台湾駐在代表などを務めた中国専門家である。
現在はカーネギー国際平和財団で日中両国の兵力、戦力の比較研究を主宰しているという。


パール氏は2010年9月の中国漁船尖閣領海侵入事件で日中両国が対決した際にも中国側があえて海軍艦艇を急派
しなかったのは、この実際の海戦での不利を認識しているからだと、解説した。


人民解放軍の海軍部隊が現地に出動して、万が一にも戦闘となった場合、米海軍相手はもちろんのこと、日本の海上自衛隊
相手でも正面から戦ったのではまったく勝てないことを中国軍首脳は知っていたからだ」


ただしパール氏は尖閣周辺という局地での戦闘がもしも拡大や、長引く場合、日本側にとっての不利な事態も十分に起こり
うるとも、警告するのだった。



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