ドイツ教育大臣、孔子学院の全校閉鎖求める
ドイツのカーリチェク連邦教育研究省大臣は、同国内に設置されたすべて
の孔子学院の閉鎖を求めている。独週刊誌「デア・シュピーゲル」が伝え
た。
カーリチェク大臣は、各関係大学の学長室と各州の教育部長室に送った書
簡で、孔子学院の役割を再評価し、結論を出すよう指示した。
10月下旬、デュースブルク・エッセン大学とハノーファー大学に設置され
た孔子学院がドイツ人作家らの著書『習近平伝』の2回のリモート読書会
を中止した。中国政府関係者の介入があったという。
このことを発端に、カーリチェク大臣は、19の大学にある孔子学院がドイ
ツの高等教育機関に与える影響について、「受け入れられないものだ」と
懸念を示した。
同氏は、各大学に対して孔子学院との協力関係の見直しを要請し、連邦憲
法擁護庁や連邦情報局と緻密に連携するよう助言した。
ドイツでは大学は各州の管轄であるため、連邦大臣が大学に直接介入する
のは、極めて異例だという。
『習近平伝』の3人の共同著者のうちの1人、長年、中国に駐在した週刊誌
のエイドリアン・ガイジュ記者は、同書は中国政府を敵対視しておらず、
バランスの取れた内容だと強調し、「習近平氏が望んでいるのは、バラン
スのとれた報道ではなく、中国国内のように、国際社会までも彼を個人崇
拝することだ」と糾弾した。
ラジオドイツによると、政治学者のアンドレアス・フルダ氏は、ドイツの
大学に対して孔子学院との提携をやめるよう進言したという。同氏は、今
回の読書会の中止は、許すべきものではないとしている。
ドイツ紙「ディ・ヴェルト」は、「孔子学院はドイツに伸ばしてきた中国
共産党の長い手だ」と形容した。
孔子学院について、欧米では教育の名を飾った中国共産党のプロパガンダ
機関だという批判が広がり、米国をはじめ閉鎖する大学が相次いでいる。
日本には14校ある。
ja.wikipedia.org
孔子学院(こうしがくいん)とは、中華人民共和国政府が世界各国の大学
等と提携してその地に設立する中国語および中国文化に関する教育機関で
ある。一方、中華人民共和国が諸外国の大学などで「外交関係」を名目に
した「統一戦線工作」によって、教育の名を借りて中国共産党の主張を基
づいた世論戦宣伝(プロパガンダ)を行う機関だという主張も存在している。
防衛省のシンクタンクである防衛研究所は、2021年3月に公表した「東ア
ジア戦略概観2021」で、アメリカが孔子学院を「安全保障上の脅威」と
みているという分析結果を出している。
孔子学院のある日本の大学
これからどうするの?