徹底した思想教育

競馬

ある日、夫が“消えた”
4年ぶりに再会した夫は、まるで別人だった


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夫と4年ぶりに再会。しかし・・・
きょうは7月9日。中国当局が、人権派とされる弁護士らの身柄拘束
に乗り出した日から丸4年となる。
王全璋(43歳。敬称略、以下同)は、4年前、即ち2015年7月に身柄
拘束された人権派弁護士の1人。今年1月、国家政権転覆罪で4年6か
月の実刑判決を受け、今も服役中である。
王は、裁判が開かれないまま、3年以上勾留されていた。家族には、
突然、連絡が途絶えた王の生死さえ分からなかった。その不安の中
で、王の妻、李文足(34歳)は、夫の安否を求め奔走し続けた。
そして先月、ついに夫との面会を果たした。4年ぶりの再会である。


妻の顔から笑顔が消えた
6月28日午後。夫との面会を終えて、山東省臨沂市にある刑務所の
門から出て来た李文足の表情は固かった。右手には赤い傘、左手は、
足元にぴったりついている6歳の息子、泉泉の肩にかけていた。
王の姉がそれに続いた。
その日は、朝から嫌な雨が降った。刑務所の外で面会を待つ間も、
冷たい雨が、黒いノースリーブから出た李の白い肩を濡らした。
4年間待ち続けた夫との再会を前に、それは取るに足らないこと
だった。
しかし、刑務所の中に一旦姿を消し、30分間の面会を終えて門か
ら出てきた彼女に、なぜか笑顔がなかったのだ。


夫との面会から戻った妻は茫然自失に
「会えたの、どうなの?」
刑務所の門を出て真っ直ぐ歩いて来る李に、外で待っていた友人
が叫ぶように声を掛けた。李と同様、弁護士の夫が身柄拘束を受
けた王峭嶺である。李の足元にまとわりついていた泉泉が「会え
たよ」と明るい声をあげた。
しかし、李は、同じ質問を2回ほど繰り返されたところで、はっと
我に返ったかのような表情を見せた。そして「会えた」とだけ、
小さく、かすれた声で答えた。一点を見つめるような様子で、
愛想笑いの一つも浮かべなかった。
ホテルに帰る車の後部座席で揺られている間も、李は言葉少なく、
ただ呆然と雨の雫が流れる窓の外を眺めていた。いや、実際には、
憂いに沈むその黒い瞳に、何も映っていなかったに違いない。


夫はまるで別人のよう
李の表情の謎は、ホテルに戻り、香港メディアなど数人の記者に
囲まれた時に溶けた。
「彼の精神状態は、とても悪かったです。以前の(王)全璋とは、
全く違いました。前は私に対して癇癪を起こしたりしなかったの
ですが、きょうはとても苛立っていて、私の言うことも耳に入っ
ていないようでした」
李は、堰を切ったように話し出した。
面会中、王は、妻の身の安全を心配していると繰り返し言い続け
たという。息子の学校の心配についても口にした。とても怖がっ
ているように見えた、李は言う。そしてこう続けた。
「彼がずっと脅されてきたのだと感じました。私が限度をわきま
えないことをやりすぎた、と彼に言われました。私の身の安全を
ちらつかされて、彼が脅されてきたのだと思いました」


まともに会話ができなくなってしまった夫
面会室のガラスの向こうに座る王は丸刈り。ずいぶん痩せ、顔色
は黒ずんでいた。
一斉拘束された弁護士たちは、取り調べの最中に、何らかの薬を
飲まされていた。意識を朦朧とさせ、自白を強要させる類のもの
であったとみられる。複数の弁護士が証言している。彼らの姿を
目の当たりにしてきた李は、「夫が、薬を飲まされ肝臓や腎臓を
悪くしたのだと思う」と話した。
李にとって何よりもショックだったのは、夫がまともに会話でき
なかったことだ。
李が、話し出して7、8分経ったところで、記者たちの質問がふと
途絶えた。その瞬間、突然、李の大きな瞳から、涙が溢れた。
「4年も待ってやっと会えたら、まともにコミュニケーションが
できなくなっていた。とても悲しいし、恐ろしい。(刑期終了
まで)あと10か月ある。この後も彼はずっと脅され、戻って来た
後に、彼とどうやって向かい合えばいいの」


以下(略)


news.yahoo.co.jp


中国の刑務所における政治犯には、徹底した思想教育を施します。
中国の人権派活動家には、東トルキスタン国民の収容所と同じように
徹底的に中国共産党の指針に基づく再教育が施されます。
ところで何度も指摘しているのですが、どうして日本或いは世界の
人権屋中国共産党独裁政府による人権侵害を見過ごすのでしょうか。