日曜競馬 回顧

競馬


[日本ダービー(G1)]


レースラップですが、非常に興味深いものとなりました。
レコードが出るようなレースは前傾ラップでも、後傾ラップでもありません。
前後半がバランスの取れたようなレースです。


12.7 - 10.9 - 11.8 - 11.7 - 11.7 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 12.4 - 11.9 - 11.0 - 11.7

前後半 1:11.3 - 1:11.9  2:23.2

1000m 通過 58.8
1600m 通過 1:36.2
レースの上がり 34.6

前半はミュゼエイリアンの淡々としながらも、1000m 通過が 58.8 という
平均よりも早い流れになりました。
このおかげで、ドゥラメンテは中団で折り合うことが出来ました。
レースラップでは最後の3ハロンは 11.9-11.0-11.7 ですが、ドゥラメンテの上がり
33.9 からして、ラスト2Fは10秒台の脚を使ったと推察されます。



レース全体を鑑みれば、今年の皐月賞のレヴェルが高いことを証明してみせました。
今年の3歳馬は近年最高かもしれません。



第82回 東京優駿 は、ドゥラメンテの圧勝劇で幕を閉じました。
父:キングカメハメハ、母父:サンデーサイレンス のエアグルーヴ一族の1頭として
血脈を広げていくかもしれません。
期待したリアルスティールですが、危惧した通り、BMSのストームキャットが・・・。
でもキズナだってBMSはストームキャットだぞ! と、言われそうですが、
ここまで底力を試されるとなると、最後は血が悲鳴を上げたのかもしれません。
ドゥラメンテの後ろでマークしながら、ドゥラメンテの上がりが 33.9 に対して
リアルスティールは 34.3 では届きません。2着はあるかと思いきや、2頭のサトノ勢に
割って入られました。せめて3着なら3連複は当たったのに…。
しかし日本ダービーの過去10年の法則で、連対馬20頭が重賞ウイナーです。
今年もその通りになりましたね。




しかし、毎度のことながら、「G1は社台系の運動会」という結果に終わりました。
1着〜4着までが、ノーザンファームの生産馬。
5着に辛うじて名門・千代田牧場生産馬。
何たって、18頭中12頭が社台。その中でもノーザンファームは9頭。
サラブレッドの生産牧場がどれだけあるのか知りませんが、これでは寡占化が心配な
レヴェルにまで来たようです。




しかし、社台を責める気は更々ありませんね。
社台にも苦しい時が色々あって、期待して導入した種牡馬がダメだったとか、
ある苦しい時に、ノーザンテーストを導入して成功を収めます。
そしてリアルシャダイなんかもそうですね。産駒はライスシャワーを始め、長距離を
得意にしてました。そして凱旋門賞馬・トニービンを取得し成功を収めました。
そして何よりも現在の社台帝国を築いたのは、ご存じサンデーサイレンス
プリークネスSケンタッキーダービー・BCクラシックを勝ちながら、3歳で引退。
その年の年度代表馬にも輝きました。
故郷のストーンファームに戻るも、父ヘイローは兎も角、母系に活躍馬がいないことから
1頭も種付けの申し出がありませんでした。
日本は余り母系のことなど考えない傾向がありますが、欧米では父馬が大種牡馬で当然で
問題は母系。どれだけ活躍馬がいるのか、血脈が広がっているのか、などなど。
ストーンファームはサンデーサイレンスに見切りを付け、現役年度代表馬として
社台の前代・吉田善哉が16億5千万円で購入しました。
サンデーサイレンスのその後の活躍は言うまでもありません。
全盛期には、種付け料が2千万円で年間100頭以上の種付けをしました。
そして、“サンデーの仔”というだけで、高く売れるのでした。
米国内では種牡馬としての価値はないとされた、サンデーサイレンスという馬を
“一発勝負の大金”で導入したことが今の社台に、どれほど貢献したかしりません。
サンデーサイレンスは社台のみならず、日本の競馬レヴェルを世界レヴェルにまで
引き上げた、日本競馬界の大恩馬です。




なんかツラツラ思うままに書いてしまいましたが、最高のダービーでしたね。