(中略)
ロシアは、中国とは仲良くならない。シベリアなどに侵食してくる中国を脅威だとみているからだ。
むしろ、ロシアは中国をにらみ、本当は日米と協力を広げたいはずだ――。
ルトワック氏はこんな趣旨の予測を披露したという。
中ロの表面的な動きをみるかぎり、この分析は必ずしも当たっていない。
(中略)
訪中したプーチン大統領は、習近平国家主席と懸案だった天然ガスの輸出交渉を決着。対ロ制裁への
反対をかかげ、来年に対日・独戦勝70周年式典を共催することも決めた。
だが、会談では結局、日米の安保当局者がいちばん注目していた商談が署名にいたらなかった。
ロシアの最新鋭戦闘機スホイ35(24機)と地対空ミサイルS400を、 中国が買うための契約だ。
売却の条件で折り合わなかったとされるが、理由はそれだけではさそうだ。
モスクワからは、ルトワック氏の読みを裏づけるような本音が聞こえてくる。
「プーチン氏は中国に相当、いら立っている」。クレムリンの内情を知るロシアの安保専門家らは、
こう明かす。プーチン氏はかねて中国の台頭に懸念を抱いていたが、
昨年12月、不信感を一気に強めるできごとが起きたのだという。
それは、習主席とヤヌコビッチ・ウクライナ大統領(当時)が北京で署名した友好協力条約だった。
「ウクライナが核で脅されたら、中国が必要な安全を保障する」。
条約にはこんな趣旨の合意が入った。
中国は「核の傘」を使い、ロシアの縄張りであるウクライナにまで手を突っ込むつもりか。
プーチン氏はこう反発したようだ。
中国の国内総生産(GDP)はロシアの4倍を超える。中国はその分、ウクライナを含めた周辺国に
影響力を広げるのは自然なこと、と考えているのだろう。
歴史的にも、長い国境を接する中ロの相性は良いとはいえない。
新中国建国の直後、毛沢東、スターリンの両首脳はモスクワで会い、同盟の契りを交わした。
それもつかの間、やがて路線対立が始まり、蜜月は10年と続かなかった。
「いまの中国は共産党体制だったときのソ連と同じだ。何を考えているのか、外からは分からない。
しばしば、唐突な行動にも出る」。
(中略)
→ http://www.nikkei.com/article/DGKDZO71758060V20C14A5PE8000/
プーチン大統領は両陣営を秤にかけているのでしょうか。
しかし歴史的、民族的に中国人とロシア人、中国とロシアが
仲良くなるなんて思えませんよね。