アベノミクス 先食いしすぎた・・・

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しぼむアベノミクス効果=ジェームズ・サフト氏



日本再生に向けたアベノミクスの試みが早くも力を失ってきた。これは世界中の株価に悪影響を及ぼすだろう。
安倍晋三首相の成長戦略への失望感から、日本の株価は急落した。
構造改革をベースに財政・金融刺激策をミックスするアベノミクスという野心的なカクテルへの信頼が失われ
れば、目を見張るような日本株の上昇が反転するのみならず、その他の地域で経済成長やリスク性資産を支え
てきた流動性や刺激効果まで損なわれるだろう。



<どこで間違ったのか>



株価が足元で一段と下落したのは、安倍首相が構造改革の計画を披露しようと鳴り物入りで行った演説がきっかけ
だった。国民総所得(GNI)の年3%増を目指すという表題には具体的な数字が盛り込まれているが、そこに
至る経路は漠然としている。成長戦略にはこのほか、国家戦略特区の新設や一般用医薬品のインターネット販売
を解禁する新規則なども盛り込まれた。



これらは日本をシリコンバレーに生まれ変わらせる内容とは程遠い。



安倍首相はまた、新たな規則をめぐる協議は秋になると述べた。改革によって不利益を被る数多くの権益に対し、
本気で切り込もうという熱意は感じられない。



投資家は過去8カ月間、日本の再生を急速に織り込んできただけに、金融市場の動きはとりわけ厳しいものとなった。
しかし現実には、円安になりインフレ率が少しぐらい上がったとしても、日本は株価上昇を維持するためになお構造
改革を必要としている。その構造改革は実現性が今や後退したように見え、相場反落に対する政府の反応はおぼつかない。



市場金利の急上昇も問題を引き起こし、日本の金融システムを構成する国債の大規模投資家に損失を引き起こす可能性
を生じさせた。長期金利が上昇すれば、重債務を抱えた日本政府は税収が増える前に資金調達コストの増大に見舞われ
かねないため、連鎖的な問題もはらむ。



最後に、日経平均株価の下落と時を同じくして為替が円高に振れ、アベノミクスの中核、つまり日本の国際競争力を高める
という努力が蝕まれている。幾つかの状況証拠によると、日本企業は輸出価格の低下による利益の増加分を刈り取っている
だけで、生産を加速しているわけではないため、円高アベノミクスを揺るがすだけでなく日本株保有を支えるテーマ
にもほころびを生じさせる。



<世界市場にも影響を及ぼす理由>



アベノミクスの信認失墜が日本にとって一大事なのは明白だが、他地域の投資家にとっても厳しい事態となる可能性がある。



第一に、突然の円高はキャリー取引を行う投資家を直撃するだろう。キャリー取引の歴史は古く、危険性もまた大きい。
円安が進み日銀の国債購入により長期金利が押し下げられている間は、キャリー取引は順風満帆で、米国その他地域の
リスク性資産の需要押し上げに一役買う可能性がある。しかしここ2週間というもの、そうした効果はあまり見られない。



米国株の強気相場をめぐっては、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和や米景気回復期待に視線が集中しているが、
実際のことろ過去数四半期の強気相場はアベノミクスと固く結びついていた。積極的な緩和を打ち出した日銀は流動性
創出しただけでなく、東京から遠く離れた地域の投資家にもアニマルスピリットを喚起した。



<米投資家にはどう影響するか>



アベノミクスは失敗する定めだというわけではないし、日銀と安倍首相はすぐにはあきらめないだろう。
そうだとしても、消炎剤のインターネット販売解禁やインターナショナルスクールの開設規制緩和といった成長戦略は、
人口問題や経済的な課題克服に匹敵する取り組みには見えない。



アベノミクスへの信認後退は日本株の悪材料だが、米国株への打撃はずっと薄まったものになるだろう。
日本市場が反転すれば、FRBが資産買い入れプログラムの縮小議論を進める可能性はさらに小さくなりそうだ。
日本国債の売りが加速する場合にはなおさらだ。



そうなれば米国株にとって幾分か支援材料になる。円高が進んだ場合にも、米企業は売上高の減少を免れ、小幅ながら
恩恵を得られる。



大きな悪影響も想定される。日本の経験から、量的緩和(QE)はうまく機能せず高い副次的コストを伴うという教訓を
人々が得て、それを米国に当てはめた場合だ。その結果、FRBは雇用と需要が回復する前にQEを縮小しろという圧力
が強まるなら、市場は極めて悲惨な時期に突入しかねない。



→ http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE95602U20130607?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0




何度も指摘していますが、株式市場はアベノミクスの果実を
我も我もと先食いした結果、冷静になるとちょっと期待が大き過ぎたかと
マズイ・・・、その反動がこの株価下落ですね。
株式は時々オーバーシュートすることがありますが、今回の場合は
それまでと規模が違いすぎました。
今日は一時、日経平均が355円まで下げましたが
厚労省が15時から年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の
中期計画の変更について説明すると一部報道で伝わる。」
という、マサカと思われる女神さまが救ってっくれました。
この報道がなければ、円高進行と今夜の米国雇用統計が主な理由で
日経平均で300円程度は下げていたでしょう。
株価は半年後を先取りすると言われますが、アベノミクスはまだ
始まったばかりです。余りに短期的かつ酷な評価は禁物かと思います。
で、そのGPIFの変更ですが
基本ポートフォリオの見直し。国内株式の組み入れ比率を11%から12%に、
国債券を8%から11%に、外国株式を9%から12%に、それぞれ変更。
というものでした。
完全に肩すかしでした。発表が取引時間中でなくてよかったです。
日経平均株価は12,877円ですが、先物は肩透かし分を加味して
日経平均先物は12,680円です。現物より約200円の下落です。
これでナイトセッションでどうなるかは・・・、分かりません。
現在、16:45ですが、1ドル96円40銭程度です。