今日の株式市場は?

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虚を突く株安、楽観覆す マーケット激動



3日の東京市場で再び株式相場が荒れた。日経平均株価は512円安。5月23日に起きた株価の急落から数えて、
4度目となる株安の波だ。

 

ヘッジファンドの動向に詳しいBNPパリバ証券の日本株チーフストラテジスト、丸山俊(35)はこの日、
投資家の困惑を感じ取った。「グローバルに運用するファンドが金融株や不動産株を手放し始めた」。
金融緩和の恩恵を受けるとみられた業種から、投資資金が引かれ始めていた。



理論派で知られる大和住銀投信投資顧問の経済調査部長、門司総一郎(50)が見たのは、日本株と歩調を合わせる
ように下げる香港市場の不動産株だ。「緩和マネーだけに頼った相場は世界的にも続かない」

 

株価の浮き沈みを長年見てきた、みずほ投信投資顧問執行役員、岡本佳久(54)が感じたのは市場全体に
広がる戸惑いだ。「株価は居所を探しあぐねている」

 

市場のプロである彼らが三者三様に感じた3日の株安。それは今回の調整が一筋縄ではいかず、なお楽観の
許されない状況であることだった。

 

アベノミクスへの期待や日銀の「異次元緩和」を手掛かりに、日本株は水準を切り上げてきた。
昨年11月の衆院解散表明前後から日経平均は8割高と、世界を見渡しても上昇率が高かった。
それが巻き戻されている。

 

下げに転じた5月23日。市場では何が起きたのか。

 

前日の米国市場で量的緩和の縮小観測が浮上。いったん上昇で始まった東京市場だったが、中国景気の低迷を
示す指標も伝わると、株価は急速に上げ幅を縮めた。

 

「どうもおかしい」。東京都港区。三井住友アセットマネジメントの運用担当者、小林洋(43)はこの日の昼前、
売り手に回る決断をした。小売り株、電機株……株価が高過ぎるとみた銘柄に、空売りを出し始めた。
空売りは株安でもうける手法だ。小林の懸念は現実になり、株価は午後、下げ足を速めていった。



東京都内に住む明石広光(73)は信用取引で買った株を損失覚悟で売った。不動産ファンドのケネディクス
消費者金融アイフル……。明石は株安の理由がさっぱり分からなかったが、それでも放っておけば証券会社
から追加の担保を求められる。売りが重なる構図の一端だった。

 

コンピューターによる売買も下げを加速した。1秒に何度も売買を繰り返す「HFT(高頻度取引)」。
相場が一方向に動き出せば注文を上乗せするプログラムも相場の動きを荒くした。
先物では取引を一時中断するサーキットブレーカーを発動。日経平均の下げ幅は1143円安に達した。

 

市場の変調に虚を突かれた投資家。米国株の季節要因から生まれたウォール街の格言「5月に売り逃げろ」は、
日本株が舞台になった。過去のバブルと比べて極端な株価の異常値は見つからない。投資家心理の冷え込みが
招いた株安だった。

 

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のストラテジスト、芳賀沼千里(54)は、早朝のフランクフルトで急落
を聞いた。「日本企業の業績回復への期待は、円安など外部環境頼みではないのか」。訪問した現地投資家
からは、突き放すような問いかけも含まれた。

 

シカゴ市場でも売りの流れは続いた。先物投資会社、ソリューションズ・ファンズ・グループの投資責任者、
ラリー・ショバー(49)は、日本株がバブルだとは思っていない。だが、相場に乗って素早く売買する投機家が
競うのがシカゴだ。「危機感を強めたトレーダーが売り急いでいる」

 

株安の中を買い向かった投資家もいる。

 

コモンズ投信社長の伊井哲朗(53)は23日午後、腹をくくった。「来るべき時が来た」。コマツやマキタ株など
を買い足し、顧客に伝えた。「下落局面で買いを入れていきます」。手元資金を厚く持ち、安く買える時を待ち
構えていた。

 

今年3番目の日経平均の下げとなった3日。SMBC日興証券は東京・丸の内で機関投資家向けセミナーを開いた。
予定の30人から50人に増えた出席者の表情は比較的冷静だった。
「調整はもう十分。銘柄や業種を選別して買いに動く時期が来ている」と訴えたチーフ株式ストラテジストの阪上
亮太(35)は、少なからず手ごたえを感じた。

 

実際、三井住友トラスト・アセットマネジメントの不動産投資信託(REIT)ファンドにはこの日、差し引き
約13億円の資金が入ってきた。不安定さの残る市場。しかし、それを好機とにらむ投資家もいる。



→ http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55808410U3A600C1EA1001/?dg=1


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いやはや、調整局面とはいえ一方的にここまで下げ続けたのは
ちょっと記憶にありませんね。
おまけに、1ドル99円台に突入した為替、それも一時的とはいえ
1ドル98円台まで円高が進行。
株式市場に政治が介入するのは、決して好ましくはありませんが
何らかの株価対策を強いられるかもしれません。
昨日の日経平均株価は、13,261円
CME225(¥)は、13,190円。
米国は量的緩和の縮小観測が後退して、ダウは大幅高。
急速に進む円高と、調整局面の終了を先取りする動きで、市場では
丁々発止の取引が行われそうですね。