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「3つのファンド」 金融・証券市場を撹乱
実体経済は底堅く




金融・証券市場の乱調が続いている。日経平均株価が大きく下げ、円相場や長期金利は迷走気味だ。
昨秋以降、日本の株高を支えてきた海外の投機筋が売りに回り、ほぼ一本調子だった株高・円安は
調整を迎えた。揺れ動く相場に動揺を隠せない投資家が多い半面、実体経済はなお力強いとの見方
も根強い。市場で何が起きているのか。



前週に連日で上下に1000円以上振れ、27日も大幅に下落した日経平均。同日も取引終了にかけて
損失を回避するための株価指数先物への売り注文が膨らみ、一段の株安につながった。

 

撹乱の要因は昨秋以降、日本の株高をけん引してきた短期売買を中心とする海外ファンドなどの投機筋だ。
 

大きく3つの顔がある。まず、経済成長などの投資機会を基に売買するタイプと、商品投資顧問(CTA)
という相場の流れに追随して自動売買するタイプ。
この2つで、200兆円弱のヘッジファンド市場の約2割を占めるといわれる。

 

新興国経済の変調を受け昨年来、日米独など主要市場に資金を移動。特に日本は成長性が高いとの見方
から「3〜4月ごろは、運用資産の6〜7割を円安・日本株高に賭ける取引に投じていた大手ファンドも
多かった」(ゴールドマン・サックス証券の宇根尚秀氏)。

 

春先に日本の株高を促したこれらの投資家が、中国の景気指標悪化や米国での金融引き締めの警戒で
売りに回った。こうした動きに拍車をかけるのが3つめのタイプだ。ファンダメンタルズ(経済の基礎的
条件)と関係なく日々の市場の中で値幅取りを狙い、株安で稼ごうと仕掛けるファンドも多い。
株価急落で慌てた投資家の売りを巻き込み、株安を加速させた。



主戦場は株価指数先物市場だ。大きな資金を動かして手っ取り早く「日本株」を売買できる。
日経平均先物6月物の売買代金は前週に連日で5兆〜6兆円と現物株をしのぐ規模に増え、27日も現物株の
9割程度にのぼった。先物の下げにつられる形で現物株も下げた。

 

ファンドの中には、1秒間に何度も取引を繰り返す超高速取引を手掛ける投資家もいる。
売り・買いとも一方向に傾きやすい短期投資家の行動が相場を大きく左右するなか「逆回転が始まると一気
に相場が下がってしまう」(BNPパリバ証券の岡沢恭弥氏)。

 

急落前の4月下旬。比較的長期に投資する買収ファンドからも「日本株の割安感はずいぶん薄れた。投資機会
を見つけるのは簡単ではない」(米ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営
責任者)との声があった。ましてや短期筋は、常に売りの機会を見定めていたとみることもできる。

 

先物売りが相場を押し下げる状態はあと数日続きそう」(ゴールドマン・サックスの宇根氏)と、目先は
荒れた相場が続くとの見方は多い。27日の大阪証券取引所の夜間取引では、日経平均先物が一時1万3600円台
まで下げた。

 

半面、実体経済底堅いとの声も根強い。日本企業は2013年度に2割程度の経常増益を見込み、欧米主要企業
に比べ高い。株価が企業の利益に比べどの程度の水準かを示すPER(株価収益率)は、株価急落前の18倍から
16倍に低下、ほぼ米国と同水準だ。「株価が下げた主力株には買いも多い」(外資系証券)

 

株価は景気を映す鏡といわれる。だが、今の相場の乱調をもって日本経済の先行きの波乱を見込むには時期尚早
との声もある。今後は、収益力を冷静に見極めて投資先を選ぶ動きが増えそうだ。



→ http://www.nikkei.com/article/DGXNASGD27067_X20C13A5MM8000/?dg=1



東証一部の売買代金の半分は外資系投資家(投機家)。
持ってた株が上がれば売り飛ばすのも無理はありません。
5月と11月は海外ファンドの決算月で、益出しをしなければ
ならない面もありますね。
>収益力を冷静に見極めて投資先を選ぶ動きが増えそうだ
とはいっても、日経平均先物で裁定売買をすれば、収益力の
ある企業まで一緒くたに売られてしまいます。
日経平均先物のナイトセッションを取りやめるか、PKO復活で
カラ売りの規制でもしない限り、当分は波乱が続くかもしれません。