来るべきものが来てますかね?

競馬

『中国、メディア統制崩壊…政権トップへの批判噴出  国営新華社まで…』


中国の鉄の報道統制がほころびだした。各メディアは四川大地震の深刻な被害を記者が見たままにライブで流し続け、
胡錦濤主席ら政府トップや軍の動向も優先的に伝えるが、「対応が遅い」との非難が噴出している。
被災者も行政当局に押しかける実力行使に出ているが、
政府は職員を更迭する大衆迎合策で応じるのがやっと。
政治的発言に目覚めた大衆という“巨竜”はもはや止められない


四川省北川県の倒壊現場。中国中央テレビCCTV)のカメラはがれきに体を
挟まれた男性(26)の救助を生中継した。
家族を残してあきらめられない(哀)」と男性は訴えた。女性記者が妊娠中の妻に
つないだ受話器を男性の口元に近づける。
多くのことは望まない。君と残りの人生を幸せに暮らせればいい(哀)」。
目は焦点を失っていたが、声に力を込めた。


男性は6時間後に救助されたが、担架に移された直後に息を引き取った。
起きてよ。奥さんが待っているって言ったじゃない(涙)」。
女性記者が半狂乱になって叫び続けた。
政府はメディアに「感動的場面を優先して伝えるよう」指示したが、
メディアは感動を超え、その先のあまりにむごい現実を突き付けている


「変化」が起き始めたのは、地震発生翌日からだ。報道前に社内検閲を行っていた
慣習を破って国営新華社通信までノーチェックで膨大な記事を配信し始めた。
一方でCCTVの現場リポートにやらせがあったと抗議が殺到、局側は事実を認め謝罪した。
だが、胡主席が16日に現地入りしてから速報が滞り始め、
社会主義の協力精神を発揮せよ(笑)」と一昔前の宣伝が幅を利かせた
香港紙は胡主席の視察で救助が2時間中断、被災者を怒らせたと伝えた。


これに≪指導者の動静より、被災状況を伝えろ≫≪これまで何をしていたんだ≫と
ネットで非難が噴出。タブーなはずの政権トップ批判が出たのだ。
ワイロとずさん建築を野放しにしたため学校が倒壊した
との批判は膨れ、21日には都江堰市でメールの呼び掛けで集まった父母400人が
市教育局のテントに押し掛け、「子供を返せ(怒)」とテントを倒した。
市幹部は「共産党を信じてほしい(笑)」となだめるしかなかった。


政府は学校の建築実態の調査を指示し、責任者の追及を約束。震災対応に怠慢があった
として同市職員3人を更迭するなど、懸命姿勢をPRしている。


流れは3、4年前からあった。行き過ぎた言論があれば抑えるという潮の満ち引きの
ような状態が続いたが、震災が最後の一押しとなった
」とジャーナリストの富坂聰氏はみる。
政府は食品偽装など政権批判に及ばない問題では報道を競わせ、過熱ぶりは
「段ボール肉まん」捏造に現れた。
この過程でメディアや国民は「自由な報道」という禁断の味を知った。


富坂氏は「大衆というモンスターが政治参加を求め目覚めつつある。
民主化というより、政府の手綱をはずれた無秩序な中国が見え隠れしており、
日本はこのような大衆とどう付き合うか見定める時期に来ている
」と指摘している。


ZAKZAK 2008/05/22


→ http://www.zakzak.co.jp/top/2008_05/t2008052201_all.html