『水銀虫』朱川湊人著
道を外れた人々の、罪深く残酷な物語。自殺した姉を取り巻く悪意。事故死した孫への愛執が引き起こすおぞましい事件。暴力への衝動に突如襲われる子供たち。罪を犯した人々の、悪夢のような一日を描いた短編集。
17歳を目前に自殺した姉。明るく優しい性格で、直前までそんな素振りはなかったのに、なぜ…。背後には、死神のような女生徒の姿があった「はだれの日」。孫を交通事故で亡くした祖母。断ち切れない愛情と悲しみが、孫の幼友だちをおぞましい事件に巻き込む「虎落の日」。惨劇の陰には、人の心を蝕む「水銀虫」の存在が。取りつかれ、罪を犯した人々の、悪夢のような一日を描いたホラー短編集。

初読になります。挟んでいたレシートには 2010年9月16日となっています。
罪を犯した人々、道を外れた人々の、罪深く残酷な7つの物語です。
ホラー作品と聞けば、凶器、残虐な殺人、恐ろしい遺体、血が噴出する場面などを想像しまいがちですが、話自体がホラー作品であり、残虐な場面でホラーを演出しているのではなく、その物語のストーリーそのものでホラー作品を完成させています。
著者の朱川湊人さんは、昭和レトロと優しいホラー・ミステリーを得意としますが、この小説家が本気で読者を震え上がらせようとすると、こういう作品になるのでしょう。各編とも後味の悪さも際立っています、いい意味でね。
「花まんま」「かたみ歌」「わくらば日記」のような優しいノスタルジックな昭和レトロではなく、ホラー・ミステリー作品「赤々煉恋」の続編でしょう。
表題「水銀虫」とは人の魂の中に入り込んで這いずりまわり、やがて無数の穴をあけてしまう虫でしょうか。
枯葉の日/しぐれの日/はだれの日/虎落の日/薄氷の日/微熱の日/病猫の日 の7編で構成されています。
親族殺人、兄妹愛、自殺、カニバリズム、壮絶ないじめ、などがモチーフになっています。中でも「薄氷の日」がお気に入りですね。壮絶ないじめに対する残酷な復讐劇になります。フジテレビ「世にも奇妙な物語 ’18秋の特別編」で「薄氷の日」が「クリスマスの怪物」というタイトルで映像化もされています。
まだ朱川湊人さんの著作に触れていない人には、余りお勧めしませんね。「花まんま」「かたみ歌」などの昭和レトロに共感した方で、「赤々煉恋」の世界に耐えられる人には合うかもしれません。いや、残虐な場面が苦手でもホラー・ミステリーが好きな方には、本書を手に取って欲しいものです。
★★★★☆
ネタバレ注意
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あと少し気になっている事があります。
秋分の日に菩提寺での秋の彼岸法要に出席して、小田急線新宿駅で下車、目的は勿論、紀伊國屋新宿本店です。地下1階のカレー店「モンスナック」で定番のカツカレーを食して2階に上がります。2階には広いスペースの文庫本売り場があるのですが、隅々まで調べた結果、朱川湊人著作の文庫本は2作だけでした…。
確かに余り目立つというか、作品自体が万人受けするものではないかもしれませんが、学校の教科書に採用されてもおかしくない良質な短編集も沢山ありますので、書店にも置いていただけないでしょうか。勿論、新しい書き手の作品を置くのも良いことですが、朱川湊人さんの珠玉の作品を伝える、紹介するのも大事なことと思います。
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[スプリンターズステークス(G1)]
さて、いよいよ秋のG1シリーズの開幕を迎えます。しかし、スプリント戦くらい綺麗な良馬場で行わせたいのですが、雨に祟られて4週9日間開催で芝はボッコボコになってしまいました。スプリント能力以上に、力を要する馬場に対する適性が試されるレースになりそうです。
中山芝千二はスタート地点から最後の直線の急坂まで緩やかな下り坂が続き、どうしても前半は行き脚がついてしまいハイラップを踏むというのが定石です。前半が32秒台というのも珍しくありませんよね。マサカの大外枠を引いたピューロマジックは、昨年とは違い遅くても3コーナーまでにはハナに立つと思われます。行かなければ二束三文の馬です。が、夏を函館スプリントステークス1着・アイビスサマーダッシュ1着・セントウルステークス2着と駆け抜けて、中2週でどれだけお釣りが残っているかは疑問ですけどね。正直な安田翔伍調教師も前2走と比べて消耗は感じると率直に述べてます。
昨年のスプリンターズステークスは正直、評価が分かれます。勝ったウインカーネリアンは 33.9ー33.0 という中山千二スプリントG1とは思えないドスローの後傾ラップに助けられた面が大きかったですね。しかし、確かにその後、高松宮記念3着・キーンランドカップ3着という成績は立派なものです。
フリッカージャブは、セントウルステークス 33.2-33.7、鞍馬ステークス 33.1-33.3 と平均的に早いラップを踏んでも後半はタレないスプリント特性を持っている強みがあります。
人気を背負うルメール騎乗のスターアニスですが、桜花賞のペースは
12.4 - 10.6 - 11.1 - 11.6 - 11.5 - 11.5 - 11.1 - 11.7 1:31.5
1000m通過 57.2、1200m通過 1:08.7、1400m通過 1.19.8 という出色のペースを向う正面では口を割って引っか掛っていたぐらいです。今度はマイル戦ほど抑える必要はなく、馬なりで先団に付けられるでしょう。レースの上りが 34.3 を 33.7 で突き抜けました。3歳牝馬としても堂々とした馬格です。しかしながら、天才少女といえども、綺麗な馬場の経験しかなく古馬初対戦となる相手は強力です。昨年のような緩いペースは望むべくもないでしょう。
土曜日の勝浦特別(2勝クラス/芝1200m/16頭立て)は、見事に1枠と2枠の馬で1着~4着を独占しました。結果論かもしれませんが、示唆は与えてくれています。メインの秋風ステークスも2番枠・3番枠のワンツーです。距離ロスなくボッコボコの馬場でも芝が固められているのか、インを通る先行馬天国ですね。その勝浦特別の勝ち時計は1分9秒7で、やはりタフな馬場です。明日は曇り予報ですが気温は上がらず、馬場が良発表になっても時計勝負ではなく、ボッコボコ馬場に向くスピードとスタミナを備えた馬に女神は微笑みそうです。
そして微笑んで欲しい馬が◎ワールズエンドですね。そうです、津村騎手は秋風ステークスの◎サウンドムーブのような競馬をすればいいのです。重馬場は、開催最終週の有松特別(中京/芝1600m)で2着があります。馬格はそれほど大きくありませんが、安田記念を逃げて2着、京王杯スプリングカップも逃げて1着と千二以上のスタミナを備えており、その京王杯の千二通過タイムは 1.07.4 を馬なりでマークしています。今日の秋風ステークスの1・2着馬はワールズエンドよりも更に小柄な馬でした。レコード決着になったスワンステークスでは 0.3秒差の8着でしたが、この時に戸崎騎手から「更に短い距離でも…。」と陣営にアドバイスを送りました。千二は初となりますがスプリント資質に問題はないでしょう。また、ワールズエンドは逃げなくても競馬が出来るのも強みですね。今年の高松宮記念では千二に実績のないレッドモンレーヴが2着しています。安田記念からの直行組はこの10年で2勝、3着が1回あります。好枠6番枠を活かして競馬をして欲しいですね。ロードカナロア産駒、千二が悪いとは思えませんし、3走前のリゲルステークスでは鼻出血にも係わらず僅差2着の勝負根性。因みに、過去5年の当レースではいずれもスプリンターズステークスでの勝利がG1初勝利を飾っています。
相手ですが、内枠の先行馬を中心に狙っていきたいです。
7歳牝馬ですが地方ダート競馬の経験が活きれば武豊を背にママコチャ
順調さを欠き昨年ほど展開に恵まれませんが中山千二では崩れないジューンブレア
先行力が魅力のサウンドモリアーナ
オーシャンステークスほど上手くいくかは分かりませんがインを突く岩田康誠のペアポルックス
桜花賞馬が当該年のここを勝てば名牝ニシノフラワー以来となるスターアニス
高松宮記念では掲示板、中山得意のレイピア
アスコット競馬場のタフな馬場でも十分見所があったルガル
荒れた馬場も雨も歓迎と調教師のパンジャタワー
充実一途、適度な期間を置いての3連勝中フリッカージャブ
この馬場の適性が分からないので随分と手広くなりますが、3連系ならフォーメーションでしょうか。現時点では枠連総流しでも十分に元は取れますね。
