結局はロシアが敗戦国?

競馬

長文ですので、リンク先から是非、ご覧下さい。


全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…!
キエフ制圧でも戦略的敗北は避けられない


(抄)


まず、なぜロシアは、大軍をウクライナ国境付近に展開しているのか、その
経緯を簡単におさらいしておこう。


1990年、ソ連東西ドイツの統一を容認したが、その際一つ条件を出した。
それは、ドイツより東に「反ソ連(反ロシア)軍事同盟」NATOを拡大しないこ
とだ。

 
米国は、不拡大を約束した。しかし、ソ連崩壊後、米国は約束を破り、東欧
諸国だけでなく、かつてソ連の一部だったバルト三国(リトアニアラトビア
エストニア)をもNATOに加盟させた。ソ連崩壊時16ヵ国だったNATOは、現在
では30ヵ国にまで増えている。

 
そしてさらに、米国は、ロシアの隣国で旧ソ連ウクライナジョージア
NATOに加えようとしている。

 
プーチンは、米国がロシアとの約束を破り、NATOの東方拡大を続けている
ことに憤っているのだ。

 
ウクライナの西を見渡すと、ポーランドチェコスロバキアハンガリー
ルーマニアと、NATO加盟国がずらりと並ぶ。

 
ウクライナはロシアとNATO勢力の間にあり、プーチンは「最後の緩衝国家」
とみている。それでプーチンは、ウクライナNATO加盟を何としても阻止
しよう決意している。

 
だが、この問題は、東欧三ヵ国(ポーランドチェコハンガリー)がNATO
加盟した1999年からずっと続いている問題だ。それなのになぜプーチンは昨
年11月になって突然、ウクライナとの国境に大軍を集結させたのか? 
真相は、プーチンと側近以外誰にもわからない。しかし筆者は、「米中覇権
戦争が激化していることと関係がある」とみている。

 
どういうことか? 
米中の覇権戦争は、2018年10月のペンス演説から始まった。それがバイデン
の時代になっても終わることはなく、さらにエスカレートしている。

 
戦略的な米国は、敵の数を減らそうとする。たとえば、米国は第2次世界大
戦中、ナチスドイツを倒すために、宿敵ソ連と組んだ。大戦が終わると、
今度はソ連を打倒するために、かつての敵ドイツ(西ドイツ)、日本と組んだ。

 
プーチンは、「米国は、中国とロシア、二大国を同時に敵に回したくない
はずだ。今ならウクライナ問題で妥協を引き出せる」と読んだのだろう。

 
そこで彼は、大軍を集結させることで、米国とNATOを脅した。

 
ウクライナNATOに加盟させない法的保証をしろ!  さもなくば……」と。

 
ちなみに、プーチンは、「ウクライナに侵攻する」とは明言していない。だが、
国境に大軍を送ることで、「拒否すればウクライナに侵攻する」ことを理解
させたのだ。


さて、日本ではまったく報道されていないが、ロシアで1月31日、驚愕の出来
事が起こった。「全ロシア将校協会」のHPに「ウクライナ侵攻をやめること」
と「プーチン辞任」を要求する「公開書簡」が掲載されたのだ。


この公開書簡は、レオニド・イヴァショフ退役上級大将が書いたものだが、彼
は、「個人的見解ではなく、全ロシア将校協会の総意だ」としている。

 
ちなみにイヴァショフ氏は、もともとかなり保守的で、これまでプーチン政権
を支持してきた。国営のテレビ番組にもしばしば登場し、著名で影響力のある
人物だ。

 
問題の書簡には、何が書かれているのか? 
イヴァショフは、プーチンが強調している「外からの脅威」を否定しない。し
かし、それは、ロシアの生存を脅かすほどではないとしている。

 
〈 全体として、戦略的安定性は維持されており、核兵器は安全に管理されてお
り、NATO軍は増強しておらず、脅迫的な活動をしていない 〉

 
では、プーチンが「ウクライナNATOに加盟させない法的保証をしろ」と要
求している件について、イヴァショフはどう考えているのか? 
彼は、「ソ連崩壊の結果ウクライナは独立国になり、国連加盟国になった。そ
して、国連憲章51条によって、個別的自衛権集団的自衛権を有する。つまり、
ウクライナにはNATOに加盟する権利があるのだ」と、至極真っ当な主張をし
ている。

 
ロシアは、ウクライナを自分の勢力圏にとどめておきたい。どうすれば、そう
することができたのか? 
イヴァショフによると、「ロシアの国家モデルと権力システムが魅力的なもの
である必要があった。しかし、ロシアは魅力的なシステムを作ることができな
かったので、ウクライナは、欧米に行ってしまった」のだ。

 
この言葉は重い。

 
プーチンは、米国が約束を破り、東欧、バルト三国NATOに加盟させたこと
に憤っている。しかし、米国は、東欧バルト三国を、無理やり加盟させたわけ
ではない。これらの国々が、NATO加盟を望んだのだ。

 
なぜか? もちろん、「ロシアが怖いから」だ。イヴァショフの言うように、
ロシアが魅力的で、恐ろしくない国であれば、これらの国々がNATOに走るこ
とはなかっただろう。

 
プーチン政権の政策は、事実上すべての隣国とその他の国々を遠ざける結果
になったとイヴァショフは嘆く。

 
そして、「世界のほとんどの国がクリミアを今もウクライナ領と認識してい
る。このことは、ロシア外交と内政の失敗をはっきりと示している」と、強
調している。


news.yahoo.co.jp