日曜競馬 展望

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[札幌記念(G2)]



この時期に中距離路線のG1ホースが出られるレースはこの1戦のみ。
幾ら別定といっても賞金別定では、何キロ背負わせられるか分かりません。
故に、札幌記念定量戦・G2と格付けられてから、多くのG1ホースの
事実上の“秋初戦”となってきました。
定量戦であるからG1馬も57キロで出られ、優勝賞金も破格の 7000万円。
この札幌記念をG1にする動きがあるようですが、何たって馬産地でG1競争を
施行出来ないのか、という声と、宝塚記念天皇賞(秋)を挟んだ日程は
難しいのでは、という声も...。



確かに春の古馬G1路線の中距離戦は宝塚記念しかありません。
天皇賞(春)安田記念ステイヤーマイラーの活躍する場ですもんね。
宝塚記念札幌記念天皇賞(秋)という路線でしょうか。
決して無理なローテーションではありません。
かつてエアグルーヴは、
マーメイドS(当時は別定)→札幌記念天皇賞(秋)という、2000m 路線を歩んで
ディフェンディングチャンピオンバブルガムフェローを一騎打ちで負かして、
天皇賞馬の栄冠に輝きました。 名伯楽・伊藤雄二調教師の作戦が功を奏しました。



今年もまた、大注目の1頭が出走してきました。
昨年度のJRA年度代表馬にして名マイラーの◎モーリスです。
距離不安を囁かれていますがどうなんでしょうか。
おまけに、今日は重馬場で明日は今日よりも回復は望めず、不良馬場の
可能性すら出てきました。 洋芝の不良馬場です。
距離は兎も角、持てるスケールと能力の違いで、距離と馬場をこなせる
でしょうか。



スクリーンヒーローは、ジャパンカップ馬。
その父グラスワンダーはマイル〜中山2500m までの万能G1ホース。
その母ランニングヒロインはサンデーサイレンス×名牝ダイナアクトレス
メジロフランシスはメジロ牧場所縁の血統で、母系はメジロボサツ
まで遡れます。
その父カーネギーはサドラーズウエルズ直仔にして凱旋門賞馬。
と、血統的には重馬場は兎も角、距離は大丈夫でしょう。



古い話ですが、かつてヤマニンゼファーという馬がいまして、この馬は
ニホンピロウイナー産駒(産駒は主に短距離路線で活躍)にして、
スプリンターズS2着、安田記念連覇の看板を背負って秋の天皇賞に挑戦しました。
前哨戦の毎日王冠をコケて、周囲にはやっぱり血統的にも実績的にも距離が
長いという声が日増しに高まってきました。
良績は 1200m〜1600m でしたからね。
しかし、堂々と挑戦して見事、勝ちました。そんな例もあるのです。



かつて確か岡部騎手だったでしょうか
「重馬場が上手な馬などいない。要は重馬場でも走る気力がその馬にある
かどうかだ。」名言ですね。明日は36Rが施行されますが、日本の中距離
路線が必ずしも層が厚くない今、新たなトップホースの誕生なるかどうか
一番注目するべきレースでしょう。



余談ですがモレイラ騎手は凄いですね。
先週も凄かったですけど、今日の札幌メインなんか、日本人騎手では真似の
出来ない技を披露しました。
彼の騎乗スタイルは明らかに日本人騎手とは違います。
彼の両手は馬の首の後ろで手綱をピタッと止めるようなスタイルです。
馬を遊ばせないというか、馬に勝手なまねはさせない、馬を支配するかの如くですね。
長手綱の日本人騎手とは違いますが、騎乗スタイルまでコメント出来ません。
まぁ恐らく一長一短があるのでしょう。
時間があるなら、今日の札幌メインレースをJRAの動画を見てみてください。
そう、香港チャンピオンズマイルを圧勝した後、堀調教師はモレイラ騎手に
距離は長くしても大丈夫かと聞いたところ、モレイラ騎手は「全く問題ない。」
と答えました。
3場メインレースでは最後になる、15:45 が今から楽しみですね。