ロシア国営ガスプロム(Gazprom)は27日、ポーランド、ブルガリア両国への
天然ガスの供給を全面的に停止したと発表した。ルーブル建ての代金支払いに
応じなかったためとしている。
ガスプロムは声明で、両国の国営ガス会社に対し「4月27日以降、(ルーブルで)
代金が支払われるまでの間、ガス供給を停止」すると通告したことを明らかに
した。
ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は先月、ロシア産天然ガスの
代金について、ルーブル建てのみ受け付ける方針を示していた。
欧州向けの天然ガスの輸出は、ロシア経済にとって重要なものであり、
また、連邦政府の歳入の4割は、原油と天然ガスの輸出代金からなると
されています。戦費調達のためにも、ロシアは欧州向けの天然ガスの
輸出を続ける必要があるのにね。自らの首を締め上げるようなもので
しょう。
ロシア政府は、いわゆる「非友好国」に対して、天然ガスの輸入代金
をルーブルで支払うように要求しています。海外での輸入企業が代金
としてルーブルを調達すれば、それが為替介入と同様な効果を持ち
ルーブルの価値を支えることになり、ロシアの経済の安定につながる、
との狙いでしょう。
ウクライナへの軍事侵攻が日増しに続く中で、欧州諸国はロシア側の
要求に、どう応えていくのでしょうか。
因みに日本が輸入しているのは、ルーブル決済を要求されている"天然
ガス(NG)" ではなく、"液化天然ガス(LNG)" ですね。