2%ポイントの怪

競馬

意味不明。消費増税で中小の小売店
「ポイント還元」という愚策



中小小売店にポイント還元補助金、効果は疑問


安倍総理が2019年10月に「消費税率を10%にアップ」という発表を行いました。
その直後に、麻生財務財務大臣は記者会見で、2%になる消費税増税分と同じ額
を「ポイント還元」する制度を発表。対象は、中小の小売店に限るとして「資本
金1億円程度までの企業や小売店」が対象となるということです。


この政策ですが意味不明ですし、効果は疑問だと思います。


まず中小の小売店というのは、地元に根ざしています。どうして地元に根ざして
いるのかというと、高齢者の徒歩圏だからです。例えば、地方でも現役世代であ
れば、少しでも安い価格を求めて国道沿いのイオンとか、もっと安いトライアル、
あるいはDIY店とかに行くでしょう。



首都圏でも少し郊外に出れば、軽四で国道16号線沿いの量販店に買い出しに行く
ような人は多いと思います。ですから、地元に根ざした中小の店というのは、高
齢者が徒歩で買い物に来るというのがメインの商売だと思います。


そこに「キャッシュレスを導入したら、ポイント2%還元分を補助する」という
政策を押し付けるというのは、まるで「キャッシュレスが進んでいない」という
ことを罰するかのようです。


どういうことかというと、高齢者をキャッシュレス支払いを誘導するには、シン
プルな専用アプリとか、簡単に加入できる会員制度などが必要で、現状のままで
は「2%」で釣っても効果が限定的と思われるからです。


さらに言えば、ポイント還元分は補助があるにしても、クレジットカードの場合
は3%前後の手数料は加盟店負担であり、実質の減収になりますし、そもそも売上
代金の回収までの期間をつなぐ資金繰りの問題も出て来ます。非接触式なども対応
するとなると、端末コストもバカになりません。


一方で、前回の消費税アップの際には「還元セールを禁止」という措置が取られて、
それが「消費の巨大な反動落ち込み」の原因になったわけです。今回の「2%還元」
は、その反省を踏まえているわけですが、では「中小には補助金を回して2%還元」
をさせる分、大手にはどうするのかというと、特に禁止はしないと思います。反動
消費減が怖いからです。


ということは、大手は自己資金で「2%還元」とか、それこそ「2%+アルファ」の
還元もやる可能性があります。そうなると、消費の主力である現役世代は、大手の
店へ行きますから、せっかく政府が中小商店を救済しようとしても、効果は限定的
と思われます。


もしかすると、財務省は「そんなことは百も承知」の上なのかもしれません。大手
小売チェーンのキャッシュレスは進むだろうし、インバウンド需要を多く抱えてい
る店は、中小でもどんどん導入する中で、最もキャッシュレス導入が難しい「高齢
者の徒歩圏を商圏にした」中小小売を、この「増税」のタイミングでキャッシュレ
スに対応させようというのです。


アベノミクスの出口戦略でインフレが進む中で、年金支給抑制、医療費自己負担増
という変化に直面して、実質の可処分所得の目減りに直面している高齢者市場は、
難しさを抱えています。そんな中で、今回の施策が結果的に中小小売店の衰退を加速
させるようでは本末転倒ではないかと思います。


https://www.mag2.com/p/news/373209


もうね、私が言いたいことや感じていることが全て書かれ
ている記事です。
本当に意味不明、魑魅魍魎、財務省主導の跳梁跋扈とした政策ですね。
昔とは違い、吹き出してきた不祥事を見ても、中央のキャリア官僚に
先見の明があるとは、とても思いません。
あるのは各省庁にはびこる「省益」だけなんですね、きっと。