EU離脱で引き下がるほどバカじゃない
巧妙で残忍なイギリスのやり口
巧妙、そして残忍な二面性をもつイギリスのEU離脱が意味するものとは
イギリスが国民投票でEU(ヨーロッパ連合)からの離脱を決めたことは世界中にショックを与えた。
イギリスに近いアメリカでダウ平均株価指数が暴落したのは当然としても、日本でも日経平均が
1000円以上安値になり、円は一時99円台をつけるなど、経済界に衝撃が走った。
現在の世界の経済は、三極(アメリカ、EU、東アジア(日本、中国、ASEAN諸国))がほぼ25%近い
GDPを持ち、世界の経済を牽引しているし、EUは、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアがGDPで
突出しているという現状を考えると、イギリスがEUを脱離する経済的な打撃は大きいと考えることが
できる。
しかし、常に国際政治は複雑であり、日本人が考える範囲を超えていることが多い。
しかもイギリスは一時、大英帝国という世界帝国を築いた国だ、そんなに簡単に「意外なこと」をする
はずもない。用意周到、常に陰謀と作戦の中にあり、「イギリス人は何を考えているか分からない」
という国民だからである。
日本のマスコミ論調を見ると、相変わらず「良い子が誠実な言動をする」ということをもとに説明して
いる人が多いが、そんなに単純ではない。
イギリスが世界に覇権を唱えだしたのは、イギリスの東インド会社が設立したときとして良いだろう。
それは西暦1600年のことだった。その後、イギリスはヨーロッパの小さな島国だったのに、西はカナダ
から、アフリカの約3分の1、インド、オーストラリア、東アジアなどを統治し、「七つの海」で
「日の沈まない帝国」を築いたのである。
イギリスの統治は、「巧妙、残忍」の二つの面を持っていた。たとえばインドとの間では、香料や綿製品
の貿易を行い、イギリスはインドから多くの製品を購入して「ポンド」で代金を支払った。
ちょうど、現在、日本が貿易でドルを決済に使っているように、その時その時の基軸通貨で貿易は決済
される。
ところが、インドではポンドは使えないからインドは貿易で得た代金をロンドンの銀行に預けた。
そして数世紀を経てインドがイギリスの銀行からポンドを引き出したときには、何回かのポンドの
切り下げによって「タダ同然」になっていたのである。
これは日本もそうで、戦後1ドル360円時代に日本人が必死になって働いて貿易黒字を出し、ドルを手
にしてそれでアメリカの国債などを買った。でも、ドルの価値が徐々に低下して、一時は1ドル80円
までになった。つまり、日本人が稼いだドルはその価値が4分の1になったのである。
アメリカはうまくやり、日本人はインド人と同じく割を食ったのだった。
今回のイギリスのEU離脱を、そんなイギリスの歴史と民族性から冷静、沈着に考えて見ると、日本で
報道されるようなお花畑の解釈ではまた日本はただ働きを強いられるようになるだろう。
イギリスが自国の繊維産業を守るために、ライバルになり得る
インド人職工の手を斬り捨てたのは周知の事実。
上記の記事は、何点か同意出来ない箇所がありますが、例えば
1ドル80円云々の箇所ですがね。
要するに、イギリスは転んでもただでは起きない国だという事は
同意しますね。 Ruler of the waves 七つの海の支配者は、
そう簡単には倒れることはないでしょう。
英国の外交戦術は未だに世界一と言っていいほどです。
それとも、七つの海の支配者は、既に伝説の域にまで達して
それは過去の栄光に過ぎないのでしょうか。