マイナス金利はデフレマインドを強めるだけ!
日銀の中曽副総裁がNYで講演し、マイナス金利の効能を説明しているようなのですが...
如何なものなのでしょうね。
勿論、中曽副総裁も黒田総裁とともにマイナス金利の導入に賛成した人物ですから、今さら
マイナス金利政策を否定するようなことを言う訳はないのですが...それにしてもです。
だって、外的な要因が重なったという面があるにしても、これだけ一気に株価が下がり、
円高に振れてしまっているからです。
(中略)
要するに、全般的な金利水準を一段と引き下げることによって投資や消費を刺激することを
狙っているのでしょうが...しかし、金利は下がるどころか、10年物国債の利回りまでマイ
ナスになるような状況になっているのです。
余りものを考えない経営者であれば、そんな状況でお金を借りることができることを歓迎
するかもしれませんが、普通の経営者であれば、何故マイナス金利が発生するような状況に
今なっているのかを考えると思うのです。
何故?
そんなに景気が悪いのか、と。そんなに先行きの見通しが不透明なのか、と。
マイナス金利が発生するということは、お金を貸したいという人はいても、お金を借りたい
という人が殆どいないことの証明でもあるのです。即ち、それほど景気が悪い、と。
それに、貸し手の立場で考えれば、マイナス金利でも実質的にペイするのは、将来物価が
大きく下がり続けるようは場合に限られるのです。
それなのに、どうしてインフレ期待が膨らむなんて言うことができるのでしょうか?
結局、スイスやスウェーデンなどがそうであるように、マイナス金利を導入して、自国の
通貨高を阻止したいだけだったのでしょ?
つまり、円安に誘導するつもりでマイナス金利を導入したものの、景況感の悪化を招くと
いう副作用の方が勝ってしまい、リスクオフで円高になってしまったということなのです。
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2016/02/13/025263.php
1ドル110円台という行き過ぎた円高が揺れ戻って、今は1ドル113円台。
何度も触れていますが、今の日本経済のファンダメンタルズは必ずしも良くなく
今日の発表では、第3四半期実質GDPは年率1.4%減です。
企業は先行きの景気に慎重になり設備投資にも及び腰。
個人もそんな企業に勤めていれば、これまた先行き不透明感で借金を背負って
まで住宅なんか買わんてば。 おまけに今年の春闘は多分...。
(短期)国債までマイナス金利にしてどうするの?
長期金利の物差しである10年物の国債が指標としての役割が果たせなくなって
るんじゃないの。
Q 財務省が実施した27日発行の短期国債の金利が初めてマイナスになった
A 銀行や証券会社などの金融機関を対象にした、償還までの期間が3カ月の短期国債の
入札が23日に行われ、5兆7100億円の発行予定額に対し、52兆1052億円
の応札があった。このうち約3兆円分は、国に利子を払ってでも買いたいという応札。
この結果、平均落札金利がマイナス0・0037%になった。
Q マイナスになったとはどういうことか
A 100円で償還される国債に0・37銭の利子をつけて買うということ。
つまり、お金を借りる立場の政府が、借金をするにもかかわらず利息までもらえる異常
事態で、金融機関は買えば損失を被ることになる。
Q なんで損失が出るのを分かっていて、国債を購入するのか
A 短期国債は、売買に時間がかかる不動産などと違い、信用力の高さもあって換金性に
すぐれている。日本銀行からお金を借りる場合や、金融機関同士が取引する際の担保
にもなる。金融機関は一定の量の国債を手元に置いておく必要があるので、マイナス
でも買っておきたいというわけだ。
Q 損をしてでも、買う理由が分からない
A 現在、市中にお金を回りやすくして、景気を刺激する政府の方針のもと、日銀が市場
で大量の国債を買っている。国債の7割程度を日銀が買っているともいわれ、国債の
品薄状態が続いてる。日銀は、金融緩和政策の維持を目的に、マイナス金利でも国債
を買う姿勢を変えていない。金融機関は、日銀に高く売れることを見越して、買って
いるというのが背景にあり、損をするとは言い切れない。
異常事態ですね