実は、歴史的なお家芸?

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『校舎崩壊は『人災』です 』  
徒然草」(林 則徐さん)より。


四川汶川縣地震で、學校や病院などの「公共施設」が多数倒壊し、多くの犠牲者が出ています。
一方で、(少なくとも私の知る範囲においては)私有大厦や政府大樓の倒壊は極めて少ないことが非常に対照的です。

この違いは、一体何が原因なのでしょうか?

すでに各メディアで業者と役人の癒着で建設費を低く抑える「豆腐渣(おから)工程」が社会問題化していると報じられています。
しかし、被害を大きくしたその背後にある中國の汚職体質にまで踏み込んだ報道はありません。

実は、この汚職体質は中國の歴史そのものといっても過言ではないほど、根が深いものなのです。


→ http://victoria.iza.ne.jp/blog/entry/574592/


秦代以降、郡県制が敷かれたことによって、『辺境の地』には、皇帝から任命された官吏が派遣され、その地方の権力を一手に掌握していました。

この地方官制度は、優秀な官吏にその政務遂行能力を実地に試させるという面もありましたが、実際には官吏が中央に戻ってくるまでに莫大な不正蓄財を為させる温床となっていたのです。

中國の古い諺に、「三年清知府、十萬雪花銀」というものがあります。
これは、どんなに清廉潔白を謳う者でも、3年間地方で知事をしていれば、銀貨10万両(現在の相場でおよそ2億円!)もらえてしまうという、収賄の常態化を表したものです。

そしてその財産は、更に上の高官への「付け届け」として利用され、腐敗した官僚機構の中で我が身の出世とより一層の不法収入へとつながっていったのです。

同じく古い諺に、「陞官發財」というものがあります。
「發財」は、新年の挨拶でも使われるとおり、「金が儲かる」という意味です。
「陞」は「昇る」という意味ですから、これは即ち「官位が高くなるほど、金が儲かる」ということなのです。

現代でも3年間の地方赴任で2億円(1300万元)の収入になるのかどうかは知りません。
しかしながら、例えば重慶市では2007年までの3年間だけでも、党・政府職員6788人が汚職や職権乱用などで司法当局・党から死刑を含む処罰を受けています。

つまり、この悪しき伝統は、大陸中國で現代に至るまで2700年以上も綿綿と続いてきているということなのです。

勿論、「袖の下」を渡して工事を受注した施工業者は、その契約金額から「賄賂分」を差し引いて、さらに利益を得るために徹底した工費の圧縮すなわち「資材と工期の削減」を行いますから、こうして完成した建造物は、耐震強度どころか、平常時でさえ、床が抜け落ちたり壁が崩れ落ちたりする危険が常につきまとうのです。
つい2年前にも、浙江省杭州市で鉄筋ならぬ竹筋コンクリートを使った違法高層建築が発覚しています。

施主が常に目を光らせている私有大厦では、このようなことはまず起こりません。
(華商は「金があってもその使い道にはうるさい」のが常です)
また、地方政府の官吏自らが入る政府大樓や官舎はこれもまた部下を使って徹底的に工程を監督しますから、手抜きは許されません。

そうして、結局は一番弱い一般市民、それも子供や病人が入る學校や病院などの「公共施設」が多数倒壊してしまうという惨事を招いてしまったのです。

無辜の子供たちや病人を死に至らしめた歴代の省政府高官の責任は、徹底的に追求されなければなりません。



豆腐渣工程については、日本は他国に云々とは言えんだろう。
耐震強度偽造事件なんて、ほんの氷山の一角ですよ。
役人の腐敗まで、そっくりでありやがる!