反政府運動に怯える中南海

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中国で今年反日デモが起きなかった本当の理由



9月18日、満州事変の発端となった柳条湖事件の起きたこの日は、今なお日中関係にとって、
重く、敏感な日である。昨年のこの日はその1週間前に公表された尖閣諸島国有化で、中国
反日機運が盛り上がり、全国100以上の都市で反日デモが起き、一部では暴徒化したデモ隊
が日系スーパーや日本企業の工場を襲った。日本人にとっても心の重い日となった。



それから1年たった今年の9月18日。中国ではデモなど反日の大衆運動はほぼ皆無だった。
尖閣の状況は何も変わっていないにもかかわらず、たった1年の時間を隔てるだけで大きな落差
が生じた。一方、尖閣諸島周辺の海域は緊張が続いている。
中国の艦艇が領海侵犯を繰り返し、中国漁船も頻繁に出没する。
海上保安庁の巡視船とは一触即発の場面もある。上空では多数の中国機が領空を侵犯、中国側は
無人偵察機も飛ばし、威嚇行動を続けている。デモも起きなかった中国国内と緊張の続く尖閣諸島
地理的に隔った2つの場所の緊張には大きな落差が生まれた。



反日デモには許容限界点

 

この2つの落差こそ、中国が今、直面する深刻な矛盾と問題をあぶり出している。
今年、中国国内でデモが起きなかった理由は、当局が昨年のようにデモをたきつけることも、組織
することも避けたからだ。昨年は日本に対する圧力として大衆動員が必要であり、またデモを政府
への日常的な不満のはけ口として利用した面もあった。だが、今年、中国指導部は反日デモが拡大し、
大衆蜂起に発展することを恐れたようにみえる。指導部には反日デモの許容限界点が明らかにある。
反日が日本のみを対象としているうちは容認するが、「反日」「釣魚島(尖閣諸島の中国名)」以外
の政治主張も混じり始めればストップをかける。



反日以外の主張で指導部が恐れたキーワードはまずは従来の「腐敗」「民主化」「自由化」だが、
昨年から目立っているのは「毛沢東」であり、「薄熙来」である。薄被告は言うまでもなく、前の
重慶市トップであり、強力なリーダーシップで、改革を進めた。標榜(ひょうぼう)したのは「打黒
暴力団撲滅)」「唱紅歌(社会主義の古き良き時代を賛美する)」であり、毛沢東的な個人崇拝に
つなげようとする空気もあったといわれる。こうした薄被告の動きは、経済格差と汚職腐敗に不満を
持つ大衆を味方につけ、中央の指導者に挑戦しようとするものだった。だが、共産党中央は薄被告を
警戒し、汚職容疑で逮捕することで失脚させた。
薄被告は9月に山東省済南市で行われた裁判(一審)で無期懲役の判決を受けた。



■中国指導部に対する国民の厳しい目

 

「釣魚島是中国的 薄熙来是人民的(尖閣諸島は中国のもの 薄熙来は人民のもの)」。
昨年の反日デモで、こうしたフレーズが横断幕や車のステッカーとして掲げられた。現状に不満を持ち、
市場経済に移行する前の中国が良かったと考える労働者や農民は少なくない。
そうした底辺の人々が反日デモに参加すれば、薄被告支持の反政府、反中央、反共産党の政治運動に
発展しかねない。薄被告の裁判が続き、石油産業を中心とする巨大汚職の摘発によって、共産党に対する
国民の目が厳しいなかで、中国指導部は反日デモを起こさせたくなかったわけだ。

 

他方、「反日デモゼロ」で日本政府が尖閣の問題は峠を越えたとみることも中国側にとって受け入れがたい。
尖閣周辺での中国の艦艇、航空機の挑発的行動は「尖閣の現状を中国は容認しない」というメッセージである。
去年の9月と今年の9月の落差、中国国内と尖閣周辺の落差は、中国指導部が直面する問題を浮き彫りにしている。

 

落差は物理学ではエネルギーのたまった状態を意味する。中国指導部は落差をつけることで、尖閣問題、
薄熙来裁判、経済格差の拡大など国内問題にうまく対応したように考えているかもしれないが、落差は
いずれ解き放たれれば、エネルギーの奔流となる。奔流が向かうのはどこか?



→ http://www.nikkei.com/article/DGXZZO48913460Y2A121C1000017/


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まぁ、何度も指摘しますが、シナ労働者・農民の経済格差、
地域格差、そして中共政府への不満と鬱憤は、いつ爆発しても
おかしくはありません。貧乏だったけど皆が貧乏だった頃の
毛沢東時代を知っている人達にとっては、貧富の差が歴然と
した今を容認することは出来ません。
都市住民も中共政府に対する不満も高まっています。
大学を出ても職にありつけないのが現状です。
それに何よりも、汚職に対する嫌悪感は相当なものです。
シナ政府は、国の根底から揺さぶられているのが現状です。