プーチンの覇権主義

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欧米に対抗 プーチン氏の「覇権主義



3月4日のロシア大統領選でウラジーミル・プーチン首相(59)=前大統領=の当選が確実視
されているのに伴い、ロシアが欧米との対立を辞さない強硬な対外路線をとる方向性が鮮明に
なってきた。根底には、世界をブロック単位でとらえ、自国の勢力圏には外部の介入を許さない
というプーチン氏の覇権主義的な思考があり、国際社会は心してロシアと向き合う必要がありそうだ。

 
■「市場再分割」に警戒感

 
反体制派への武力弾圧を続けるシリアのアサド政権をめぐり、ロシアは今月(2月)、国連安全保障
理事会の決議案に拒否権を行使して諸外国の猛批判を浴びた。
決議案はアラブ連盟のまとめた事態収拾案に支持を表明し、暴力の停止やバッシャール・アサド大統領
(46)から副大統領への権限委譲を求めた内容。
安保理の15理事国中、13カ国が賛成したにもかかわらず、ロシアと中国の拒否権で否決された。


シリアは中東地域で最大のロシア製武器購入国であり、旧ソ連圏以外では唯一の露海軍基地を擁する
“橋頭堡(きょうとうほ)”。ロシアが拒否権を行使したのは、欧米の軍事介入でカダフィ政権が倒壊
したリビアに続き、旧ソ連時代から友好関係を維持しているシリアまで失うわけにはいかないと考えて
いるためだ。

 
ロシアは昨年3月の安保理決議がリビア介入に道を開いたことを苦々しく感じており、シリアやイランで
同様のシナリオが繰り返されるのを阻止したい。
プーチン氏は2月27日付のロシア紙に論文を寄稿し、いわゆる「アラブの春」について、「ロシア企業
は何十年にもわたって築いた立場を失い、政体の転換に手を貸した国々がその穴を埋めている」と欧米の
「市場再分割」に警戒感を示した。

 
■アジアとは関係拡大

 
プーチン氏は軍事面で欧米と覇を争う姿勢もあらわにしている。
今後10年間で23兆ルーブル(約62兆円)を支出して兵器近代化を急ぐとしており、米国のミサイル防衛
(MD)計画にも対抗する方針だ。
新型の大陸間弾道ミサイルICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を計400基以上、600機
以上の軍用機や2300台以上の新型戦車を配備するという。


ドミトリー・メドベージェフ現大統領(46)が対米関係の「リセット」を掲げて新戦略兵器削減条約
(新START)の発効にもこぎ着けたのに対し、プーチン氏の次期政権では欧米との関係に緊張感が増すのは
必至だ。

 
プーチン氏は他方、日本を含むアジア・太平洋諸国との関係拡大には力を入れるとみられている。
セルゲイ・ラブロフ外相(61)は1月末から2月初旬にかけ、今年初の外遊として日本を皮切りにオーストラリア
ニュージーランドなどを歴訪。ロシアは9月、極東のウラジオストクで開催するアジア・太平洋経済協力会議
(APEC)で初の議長国を務めることになっており、この地域との統合路線を象徴するイベントとしたい考えだ。

 
■「領土が潜在力の源泉」

 
プーチン氏は欧米諸国について「隙あらばロシアを弱体化させようとする勢力」と考えている一方、今は友好関係に
あるとはいえ、中国が急速に国力を高めていることはロシアの潜在的脅威と映っている。
ロシアの貿易・投資関係は欧州に偏り、国内では中国と接する極東・東シベリア地域で産業の衰退と人口流出が続い
てきた実情もある。


欧州経済が停滞をきたしている今、中国以外のアジア・太平洋諸国と関係を深め、その協力も得て国をバランスよく
発展させることが、世界の「極」の一つとして存在感を高める道筋というわけだ。

 
ただ、このことが日露間の最大懸案である北方領土問題の解決を容易にするわけではない。
プーチン氏は前大統領時代、平和条約の締結後に色丹(しこたん)、歯舞(はぼまい)の2島を引き渡すとした日ソ共同
宣言(1956年)が有効だと確認。しかし、その後は四島返還を国是とする日本と、「2島」で幕を引こうとするロシア
の溝が埋まらずに交渉は進展しなかった。

 
プーチン氏は前出の寄稿論文で世界最大の国土に眠る石油や天然ガス、森林、淡水といった天然資源の戦略的重要性を強調し、
「ロシアの領土、それは潜在力の源泉だ」と記している。



→ http://sankei.jp.msn.com/world/news/120228/erp12022806170001-n1.htm



プーチン氏云々よりも、日本にもこのような国益を考えた
力強いカリスマ的な指導者が欲しいところです。
鳩山→菅→野田 と、馬鹿で売国奴ばかりなんですもん。
軍拡については、ロシア側から見れば、周辺国は全て
彼らにとっての仮想出来国に囲まれているものですが、
過剰反応もここまでくるのか、という感じですね。