政治生命の危機、鳩山氏の支持、
首相の「脱小沢」で最終決断
民主党の小沢一郎前幹事長が、9月の党代表選への出馬を決断したのは、出馬を見送れば、
党内での影響力ばかりでなく、政治生命にも影響しかねないと危機感を持ったためだ。
菅直人首相とその支持勢力は「脱小沢」路線の堅持を譲らず、これに反発する小沢グループ
の擁立派の動きは過熱していた。出馬を断念すれば、グループの結束も揺らぐ恐れがあった。
また、小沢氏の出馬を回避するために仲介役をかつて出ていた鳩山由紀夫前首相も、
菅首相の「脱小沢」放棄の拒否に怒りを募らせており、鳩山グループの支持に期待を
かけられると小沢氏は判断したようだ。
「菅首相に挙党一致の態勢を求めてきた。鳩山前首相が何度も申し入れたのに、菅首相に
まったく受け入れられなかった。だから決意した」
小沢氏は26日午前、国会近くの個人事務所に、自身の出馬を要請していた三井弁雄国対
委員長代理らを呼び、出馬を決意した理由についてこう語った。
小沢グループを中心とした議員たちが小沢氏に出馬を要請したのは25日午後6時ごろ。
出馬要請は当初、26日に行う予定だったが、「できるだけ早く決断してもらわないと
9月1日の告示まで時間がない」(側近議員)として前倒しした。
このとき小沢氏は「時間がほしい」として即答しなかった。
小沢氏側近らは票読みを続けてきたが、代表選に勝つ確信を持てる状況にはなかったため、
迷いがあったものとみられる。小沢氏は25日夜は自宅に帰らず、都内の個人事務所に
泊まった。
参院選大敗の責任を取らず、「脱小沢」路線の放棄に応じない菅執行部に対し、約150人
にのぼる小沢グループには怒りが広がっている。
ただ、鳩山グループの支援なしでは勝利はおぼつかない。
24日夜に鳩山グループの幹部会は「小沢氏は出馬すべきでない」との意見が大勢だった。
しかし、25日の菅首相と鳩山氏との会談で、首相が挙党態勢構築に応じなかったことから、
鳩山氏も首相に対する態度を硬化させていた。
この情報が、小沢氏にふんぎりをつけさせた。
小沢氏は26日朝の会談前、側近議員に電話し「鳩山さんの協力を得られれば出馬する」
と語っていた。
小沢氏の決断は鳩山氏の意向を抜きにはあり得なかった。
→ http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100826/stt1008261238028-n1.htm