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『悪魔の手毬唄』横溝正史著


 岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。この地に昔から伝わる手毬唄が、次々と奇怪な事件を引き起こす。数え唄の歌詞通りに人が死ぬのだ! 
 現場に残される不思議な暗号の意味は?



 この作品のイメージだけでも知りたい方には、以下の動画がお勧めです。
 少女がたいして意味も分からずも熱心に謳うこの手鞠唄が、残忍な連続殺人事件を生んでいくのです。


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『鬼首村手毬唄』(おにこべむらてまりうた)


うちの裏のせんざいに
すずめが三匹とまって
一羽のすずめのいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿様(とのさん)
狩り好き酒好き女好き
わけて好きなは女でござる
女たれがよい枡屋の娘
枡屋器量よしうわばみ娘
枡ではかって漏斗で飲んで
日がないちにち酒浸り
それでも足らぬとて返された 返された


二番目のすずめのいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿様(とのさん)
狩り好き酒好き女好き
わけて好きなは女でござる
女たれがよい秤屋の娘
秤屋器量よしじゃが爪長娘
大判小判を秤にかけて
日なし勘定に夜も日もくらし
寝るまもないとて返された 返された


三番目のすずめのいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿様(とのさん)
狩り好き酒好き女好き
わけて好きなは女でござる
女たれがよい錠前屋の娘
錠前屋器量よしじゃが小町でござる
小町娘の錠前が狂うた
錠前狂えば鍵あわぬ
鍵があわぬとて返された 返された


 少しネタバレ注意程度での感想です。
 すっかりハマッてしまいましたね、横溝正史先生の金田一耕助シリーズ。
 この7月にふとした切っ掛けで「八つ墓村」を読み初めまして、「獄門島」「犬神家の一族」に続く4冊目になります。他の著作も読みながら、1人の著作を1か月で4冊なんて、ちょっと記憶にありません。この「悪魔の手鞠唄」も上記作品と共に、多数の映画・テレビドラマ化されている作品ですね。
 何たってこれらの作品群における昭和初期のレトロ感がたまりませんね。物語の舞台は、昭和30年の岡山と兵庫の県境にある寒村、鬼首村(おにこうべむら、訛って「おにこべむら」)です。著者の横溝正史氏が戦中このあたりに疎開していたせいなのか、この地方の訛り言葉で物語は構成されます。八つ墓村に獄門島のような、それが小さく閉鎖的な寒村の雰囲気を一層醸し出しています。
 物語はこのような都市とは隔絶された寒村における連続殺人事件、そこには代々から続く複雑な地縁、血縁に家柄などが複雑に絡み合います。旧家(由良家と仁礼家)同士の勢力争い、隔絶された寒村独自の偏見、もし連続殺人犯が、手鞠唄の1番・2番の「枡屋の娘」に「秤屋の娘」を殺さなければ、結果的に異母兄妹で結婚するところでしたかね。
 犯人は死を覚悟の上で、最初は昭和7年に1人、そして23年後に4人と都合5人を殺害します(うち1人は3番の「錠前屋の娘」を間違っての殺人)。そもそも枡屋と秤屋の娘の出生自体は、それまで村で受け続けていた偏見、職業差別に内心では憤慨していた男による復讐の意味合いがあります。結果、犯人によるその娘たちの体に流れる血に対する嫉妬、怨念で殺人が引き起こされます。
 金田一耕助が投宿する「亀の湯」の未亡人にて女将・青池リカの主人であった、放蕩の限りを尽くして殺された赤池源治郎、そしてある日突然村に現れて詐欺師容疑がかかり行方不明となった恩田幾三の「両者」が撒いた「種」を、女将がその種から育った穂を刈り取ったということですね。
 これで「八つ墓村」「獄門島」「犬神家の一族」「悪魔の手鞠唄」と、横溝正史先生の代表作ばかり4冊を、ひと通り読みましたが、次はどんな作品でしょうか。金田一耕助シリーズは沢山ありますが、知名度なら「悪魔が来りて笛を吹く」ですが、どうなんでしょ?
 余談ですが、日本は首都圏を始めとして大都市圏に人口が殺到し、地方は人口減少で廃れるばかりですが、こういう小説を読むとさもありなんって感じですね。例え小説にしても、都市部から離れた地方の社会的背景、少なからず如何ともし難い地縁・血縁・因習・偏見などがあるからこそ、こういう小説が出来るわけでして、若い人たちがそんな地方を嫌がって出ていき、親としても止められないのは必然なのでしょう。私の住んでいる千葉県は東京都に隣接していますが、それでも都市部を一歩離れるとこのようなムラ社会が根付いていますからね。
★★★★☆



[朱鷺ステークス(L)]


 夏競馬も終盤戦に突入ですね。確かに暑いのですが、この夏の暑さは昨年・一昨年と比較れば、まだ凌ぎやすいのではないでしょうか。昨年も一昨年も仕事で1日外回りの日は熱中症にかかったのか、最後の訪問先を後にした時にはドトールとかでアイスコーヒーを飲みながら、1時間以上涼んでいたというか頭がボーっとして動けなかったものです。
 朱鷺ステークスは、やはりというか牝馬の活躍が目立ちますし、今回も有力馬が出走してきます。中でも◎セフィロの充実ぶりというか、ブリンカーを装着してからは真面目に走るようになりました。京王杯スプリングカップは低評価ながらも、後に安田記念で2着になったワールズエンドとクビ差の決着でした。唯一の懸念はスタートでしょうか。18頭立てで6番枠で出遅れると、内回りコースで馬群を捌くのに苦労しますからね。スタートを五分に出れば、56キロでも軸としての信頼度は高いと思います。
 相手は少し多くなってしまいますが、
 山城ステークス、阪急杯だけ走ればララマセラシオン
 安定した末脚を繰り出せるヤブサメ
 タガノエルピーダの先行力
 この距離2走目で新味が出ればクルゼイロドスル
 持ち時計1番、左回りの千四でレディマリオン
 安定して1分20秒台前半で走れるスリールミニョン
 この実績で54キロならタガノアラリア
 あともう1頭、当日のオッズと新聞の馬柱を見比べながら買うかもしれませんね。