「俺ではない 炎上」
浅倉秋成 著

https://news.yahoo.co.jp/articles/41e9f317acd2470729f70bcb153830a289747c3d
外回り中の営業部長・山縣泰介に緊急の電話が入った。
「とにかくすぐ戻れ!」どうやら泰介が「女子大生殺害犯」
であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が
晒され、大炎上しているらしい。
SNSで犯行を自慢していたそうだが、そのアカウントが誤認
されてしまったようだ。誤解はすぐに解けるだろうと楽観視
していた泰介だが、成りすましは実に巧妙で誰一人として
無実を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも……。
ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追い
かけられる中、泰介は必死の逃亡を続ける。
【ネタバレ注意】
それぞれの主要な登場人物の視線からの物語。
ん?主人公の娘である夏実(小学5年生)の年齢が合わないの
ではないかと、子どもの年齢が合わないのかな?って読み進め
ると、実は夏実からの視線だけは、まだ子供の頃を描いたもの。
これには騙されました。ここをキッチリと押さえないと、何が
何だか、物語自体が分からなくなってしまいます。
夏実が父親である泰介に良いと思って、友達作りのアカウント
を作った所が、この物語のキーワード。
夏実も責任を感じてしまい、最後には真犯人と刺し違える覚悟で
追跡します。
しかし、山形の夏の果物がサクランボの実、だから夏実=サクラ
は、ちょっと安易でこじつけな設定ではないでしょうかね?
後は、真の犯人が、この理由で3人を殺すのかね?
主人公・山縣泰介は自分に厳しいが、他人にも厳しく、公私で
正論を突きとおしますが、それが必ずしも相手にとって理論的
かつ理性的に受け止められていないところは面白い。
とても読みやすくて、スイスイと物語にハマッてはいくの
ですが、以上の点が物足りないかな。
逆に言えば、以上のネタバレを知った上で読んだ方が、素直に
時系列を追って読めるかもしれません。
ただし、阿部寛さん主演映画ともなると、チケットを買って映画館で
観たら、きっと楽しめそうな気がします。阿部寛さん演じる主人公が
逃げ回る姿が目に浮かびます。
★★★☆☆