今日の一冊

競馬


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まだ、昼間では陽に当たっていると暑いのですが、湿度が低く
なったせいで、酷暑時のそれではありません。
酷暑時は、部屋・職場・交通機関はエアコン、外は信じ難い
暑熱の連続で、正直、本を読む気も余り起りませんでした。
まぁ、それでもポツポツは読んではいましたけどね。
が、季節がめっきり秋めいてからは、急に本が読みたくなり
書店に行っては、文庫・新書・ハードカバーともに手あたり
次第、カートに入れて読み始めました。
お気に入りの「天久鷹央の推理カルテ」シリーズの直近2冊を、
各1日ずつで読了して、「母の待つ里」で久しぶりに浅田次郎
に触れたり、それまで買ってはいたものの、まだ頁を開いてな
かった本も読みました。
驚いたのが、傾倒してやまない安部公房さんの新作というか、
未発表小説が新潮文庫から出ていました。気付きませんでした!
しかも1冊は、未完の絶筆もの。興味津々でしょう。
当然、購入して、あとはいつ読むのかが問題。
私は、食事の際には一番好きなものを後で食べるタイプなので
読むことは先の楽しみに取って置くことでしょう。
ただ、個人的な感想ですが、作風が似ていると思われる安部公房
さんとフランツ・カフカは、好き嫌いが分かれそうですね。


上巻ともいうべき「病に至る恋」
下巻ともいうべき「恋に至る病」
著者・斜線堂有紀
主人公・寄河景(よすがけい)



僕(宮嶺)の恋人は、自ら手を下さず150人以上を自殺
へ導いた殺人犯でした。
やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる
自殺教唆ゲーム『青い蝶/ブルーモルフォ』。
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか
幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を
回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられな
かった彼が辿り着く地獄とは。


【ネタバレ注意】
紀伊國屋書店本店で、平積みになっていたので気になり、
メディアワークス文庫で、表紙からしてライト文学と思いきや...。
本の帯には「映画化」とのこと。だから書店も推している
のか。まぁたまにはこういう本もいいかな?ってノリで購入。
巻末を確認すると、2020年発刊で既に31刷(ずり)。
売れているだけに、それも購入意欲を後押ししましたね。
上巻だけ読んでいたら、恐らく下巻は読まなかったでしょう。
余り面白くはありません。しかし下巻も買ってしまっていた
ので、期待せずに読み進めると、少なくとも本代の元は十分に
取れました。
しかし、下巻は上巻とは著者が違うのではないかと思うほど
圧巻のスピード感と展開。主人公の描き方も良し。
それは上巻を読んだ方が、より楽しめますが、下巻だけ読んで
も面白いと思いますよ。
ただし、最後の最後が ...。
「景は、好きな人(宮嶺)の消しゴムを貰えれば両想いになれる」
意図だったのか?
「景自身が物語の発端となる宮嶺イジメの首謀者だった」のか?
ただ一人だけは愛した化物か、誰一人として愛さなかった化物
かの物語でしょうか。
殺人鬼である主人公・寄河景の本性を、これまでの経緯から
読者の想像に任せたのはどうなのでしょうかねぇ。
出来れば、著者の方で一番大事な結論をつけて欲しかったかな。

★★★★☆