『復讐の泥沼』 くわがきあゆ著
古民家カフェの崩壊事故に巻き込まれ、一緒にいた盛岡颯一を喪った
日羽光は、彼を見捨てた医療従事者らしき二人の男を探す。
なぜ彼らは颯一を助けようとしなかったのか、問いたださねば気が済まなかっ
たのだ。
やがて光は男のひとりの身許を特定して接触を図るが、彼は突如として何者か
に銃殺されてしまう。
一方、もうひとりの男・薬師も光の行方を捜していた。戦慄のサイコサスペンス!
ネタバレしない程度に ...。
サイコサスペンスを通り越して、ホラーサスペンスですよ、この作品は。
特に主人公・光の本性が、徐々に明らかになっていく過程は面白い。
主人公を最後に取り巻く人々は、皆んなサイコパスな人々。
区切りをつけつつ、視点を遷移させていきながら、時系列で結んでいく
仕掛けには、思わず本書に引き込まれてしまいます。
そう、「復讐」とは勿論、主人公目線なのですが、単なるブッ飛んだ
「独りよがり」なんですね。
我儘というか、それを全く自覚出来ないサイコパスな主人公です。
でも、崩落事故で首が千切れるとか、母親が飛行機嫌いとか、拳銃と
ダンベルはいただけません。 余りに現実離れかな。
★★★★☆