中華思想の成れの果て

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「九段線」とは中国が地図上に引いた線にすぎない
「世界は中華帝国の所有物」は妄想というしかない



7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は南シナ海領有権問題に関する裁定を下した。
最大のポイントは、中国が南シナ海の広い範囲に独自に設定した「九段線」なるものに
「法的根拠はない」とし、この海域に対する中国の「歴史的権利」を完全に否定した
ことにある。



世界主要国の大半が裁定の正当性を認めていることからも、裁定はまったく適切なもの
であると思う。問題はむしろ、中国政府が今までどうやって、南シナ海に対する自らの
「歴史的権利」を主張できたのか、である。




中国側の主張をつぶさに見れば、証拠という証拠の提示はほとんどなく、ひたすら「権利」
を主張するだけのいいかげんなものであることが分かる。「九段線」というのは中国が
地図の上で勝手に9つの破線を引いて、フィリピンやベトナム近海までを含む広大な海域を
「中国のもの」にしてしまった話だ。




国際法の視点からすれば、このような「領有権主張」はまさに乱暴というしかないが、実は
現在の中国政府が主張する「九段線」は、かつて中国大陸を統治した国民党政権が設定した
「十一段線」から受け継いだものだ。つまり、「国際法無視の領有権主張」に関していえば、
今の中国共産党政権も昔の国民党政権も「同じ穴のむじな」なのである。




2つの政権は両方とも、自国の国名に「中華」を冠したことからも分かるように、対外意識の
根底にあるのは、やはり、中国伝統の「中華思想」である。




昔ながらの中華思想は、外部世界に対する「中華」の絶対的優位性を主張するのと同時に、
いわゆる「王土思想」を世界観の基軸としている。中国古典の『詩経』小雅(しょうが)に




普天(ふてん)之(の)下(もと)、王土に非(あら)ざるは莫(な)く、率土(そつど)之
(の)浜(ひん)、王臣に非ざるは莫し
というのがある。現代語に訳すれば、
天の下に広がる土地は全て天の命を受けた帝王の領土であり、その土地に住む人民はことごとく
帝王の支配を受(う)くべきもの
という意味だ。漢王朝以降の中国歴代王朝においては、そのまま中華帝国の政治原理となっている。
要するに中華帝国の人々からすれば、天命を受けた「天子」としての中国皇帝こそが「天下」と
呼ばれるこの世界の唯一の主であるから、世界の土地と人民の全ては中国皇帝、すなわち
中華帝国の所有物となっているのだ。




このような世界観において「領土」と「国境」の概念は存在しない。全ての土地は最初から中国
皇帝の所有物であるから、それをあえて「領土」と呼ぶ必要もないし、「国境」を設定する必要
もない。世界全体が中国皇帝を中心にして無限に広がっていく一つの同心円なのである。




現代の国際感覚からすれば、このような世界観は笑うべき「妄想」というしかないが、近代までの
中国人は本気でそう信じていたし、その残滓たるものが今でも、中国の指導者やエリートたちの
意識の根底に根強く染み込んでいるのだ。




だからこそ、以前の国民党政権は何のためらいもなく南シナ海の広範囲で勝手な「十一段線」を
引くことができたし、今の中国政府はこの海域に対する「歴史的権利」を堂々と主張することが
できる。要するに彼らの潜在的意識には、南シナ海であろうと何々海であろうと、最初から中華
中心の「同心円」の中にあるものだから、おのずと「中国のもの」なのである。




これは冗談として済ませる話ではない。1人か2人の中国人がこのような妄想を抱くなら一笑に
付する程度の話だが、核兵器を含む巨大な軍事力をもつ大国の中国がこうした時代錯誤の妄想に
基づいて実際に行動しているから大問題なのである。



http://www.mag2.com/p/news/213919



現代版の中華皇帝(中国共産党政府)の下にある民が
世界でも不幸な部類に入る民であることは皮肉なこと
ではなく必然的なこと。 歴史的展開の果てですね。
土地の環境汚染は酷く荒れ果て、人民は一党独裁政府に
虐げられています。言論の自由すら高嶺の花。
自国民すら奴隷としか思っていないのでしょう。 それならば...。
現代版の中華皇帝にしてみれば、フィリピンだのベトナム
だの日本などは、何を生意気なことを主張してるのだ
ということになります。
米国に気を使っているのは、ひたすらその世界最強の
軍事力と経済力に畏怖しているからです。
では日本も舐められないためにはどうすればいいのか。
やはり、シナに恐れられる、怒らしたらマズイと思わせる
軍事力を備えること以外にありません。
核武装と通常戦力の充実ですね。
安倍首相は何でこんな簡単なことが分からないのですかね。
反日バカサヨに阿っていては、国家百年の計は出来ませんよ。