「危機であると騒ぎ立てないように用心しないといけない」
「悲観論には与しない」
「借金をして景気を刺激するやり方は、わらが燃えるように効果がすぐに息切れし、
持続的な成長にはつながらない」
要するに、主要国の経済は底堅く、財政政策などで大盤振る舞いする状況ではないと
言っているのです。
それにしても、巧い言い方ですね。わらが燃えるように効果がすぐ息切れする、なんて。
そうなのです、全くサステイナブルではないのです。
でも、つい先日、これとは逆のことを言っている人がいましたね。
「世界経済の「下方リスク」と「脆弱性」が高まっている。こうしたリスクに、G7が、
いかにして協調して立ち向かうことができるかが、伊勢志摩サミットの最大のテーマで
あります。G7がリードして、世界経済の持続的かつ力強い成長への道筋を示す。
政策協調への力強いメッセージを打ち出さなければなりません」
「多くの専門家は、今年、更なる景気悪化と、世界的な需要の低迷を見込んでいます。
安定した成長軌道を目指し、この低迷した状況から、一気呵成に抜け出す。「脱出速度」
を上げていくためには、金融政策だけでなく、財政政策においても、機動的な対応が強く
求められています。新興国を中心に、質の高いインフラや環境分野での投資を、一層拡大
していくことも必要です」
「世界経済が抱えているリスクが顕在化し危機に陥る、その前に、私たちは「行動」を起こ
さなければならなりません。私たちG7に、今、求められていることは「行動」であります」
これ、安倍総理の発言です。
つまり、ドイツのショイブレ財務相は、伊勢志摩サミットを控え、安倍総理の認識が適当
ではないと言っているのです。
どちらの認識が正しいのでしょうか?
或いはどちらの認識も正しくないのでしょうか?
伊勢志摩サミットの前に、今週G7財務相・中央銀行総裁会合が開かれます。
そして、その際、ショイブレ財務相と麻生財務相の間で議論が展開されることになるでしょう
が、日本はどのようにしてドイツを説得するつもりなのでしょうか?
日本以外で財政出動を主張している国は、米国等一部の国に留まります。
しかし、米国が日独等に対し財政出動を求める理由は、安倍総理の考え方とは異なり、日独が
対米貿易収支の面で構造的に黒字を計上しているからであり、つまり、均衡ある世界経済の
発展のためには、日独が需要を増大させる政策が必要であるとの認識に基づくものです。
では、日独が、仮に内需を拡大する政策を採ったとして、米国の貿易収支は改善するので
しょうか?
私は、決してそうは思いません。日独が内需を拡大しても、必ずしも米国の輸出の増加に
つながる保証はなく、中国やそれ以外の新興国の輸出が増えるだけに終わる可能性が強い
のです。
安倍総理は、リスクが顕在化する前に、我々(先進国)は行動を起こす必要があると力説
します。その場合のリスクとは一体どういうことを意味するのでしょうか?
このまま手を拱いていたら、世界中が大不況に陥る恐れがあるとでも言うのでしょうか?
しかし、ドイツはそのような見方を否定している訳です。
私は、どう考えても、ドイツの見方の方が当たっているような気がします。
もちろん、中国が過剰設備の処理を実施している最中ですから、世界経済の成長のペースが
落ちることが予想される訳ですが...しかし、それはむしろ我々が受け入れなければいけない
ことであり、ここでさらに無駄に財政出動して調整のペースを遅らせても何の意味もないのです。
わらが燃えるようにすぐ効果がなくなり、持続的な成長をもたらすことはできない。
そのとおりだと思います。
以上
http://klug-fx.jp/ogasawara/2016/05/16/025814.php
そうですね。不景気に溺れている人が助けを求めて
「景気刺激策」という“藁”を掴んでしまう可能性
が高いようですね。
一瞬の光明とその後の絶望が待っています。
藁を掴めば当然、沈みます。
財政出動といっても、何に投資するのでしょうか。
継続的に支出出来るワケではなく、一発勝負でしょ。
建設業界はダメですよ。東日本大震災。東京五輪、
そして熊本地震の復興で手いっぱいですから。
恐らく何に財政出動しても、ドイツの財務相の言う
通りになってしまいます。
消費を刺激して景気を煽るのなら、消費税の減税はどう
でしょうか。 購入意欲をそそり、消費も活発になる
可能性が高いと思うのですが...。とりあえず今の半分
の4%まで消費税を引き下げます。
車が基幹産業なら、買わせるように仕向ければいいでしょう。
今はエコカーだけに認められている、取得税、重量税や
揮発油税等の一時的停止など、どうでしょうか。
時限的でも、消費税の減税の方が無暗に金を出すよりも
経済効果は大きくないでしょうか。
ただし、これは景気刺激策なので、減税分の税収があるかは
話が別ですね。