迷惑な迷信

競馬

再び円高


ドル円が、再び1ドル=107円台に突入し、そして、株価は500円以上も下落しています。
G20での日米の不協和音ということもあるのでしょうが、熊本地震の影響もあるのでは
ないでしょうか?



東日本大震災のときと同じように、地震のせいで熊本を中心とした国内の生産活動が大きく
阻害されることは確実でしょう。近隣諸国からの九州への観光客も激減するでしょう。
従って、株価が下落するのは分かります。でも、何故円高にならなければいけないのか、と。
何故大地震が起きて円高になるのか、と。




私、今回の地震が起きる前日の13日、「大地震津波が襲った後、円が強くなった理由」と
題して記事を書きました。まさか、このような地震が起きるとは夢にも思っていませんでしたが...


 

『大地震津波が東日本を襲った後、どういう訳か円高がもたらされました。
幾ら円が安全通貨だと言っても、日本の国だけが危機に陥っているのに何故円が強くならなければ
ならなかったのか、と。

 

如何でしょうか? 外国人の日本脱出が起きた後、何故円は高くなったのでしょうか?

 

外国人は、日本が安全でないと思ったから、日本を離れた。しかし、その一方で、円に対する需要
は高まった、と。

 

それは、元々日本から米国など海外に向かっていた資本を、地震津波原発事故の三重苦に喘ぐ
日本が呼び戻すに違いないと、海外に市場関係者が考えたからに他なりません。

 

未曽有の災害から立ち直るためには莫大な資金が必要となるが、日本は、そうした資金を海外に
投資していた先から回収することによって賄うに違いない、と。

 

要するに、日本が世界一の対外純資産保有国であるため、平常時には、お金が日本から海外に
向けて出て行くところ、一旦、事態が急変すると、それまで海外に出て行っていたお金が日本
に戻ってくる、だから、円高になるのです。』


 

ただ、誤解のないように言っておかなければいけないことがありますが、では、大地震など
未曽有の災害に見舞われると、本当に大規模な資金の逆流が起きるのかと言えば、それは
なんとも言えないということです。

 


少なくても、政府は、例えば外貨準備として保有している米国債を売り払って、それによって
必要な復興資金を工面したというようなこともありませんでしたし、また、保険会社が保険金
支払いの原資を賄う必要があったとしても、それほど巨額な規模になる筈がないとも言われて
いました。

 

しかし、重要なことは、市場関係者がどう考えるかということなのです。

 

つまり、実際にどれだけの資金が日本に逆流するかというよりも、どれだけの資金が日本に逆流
するだろうという予想こそがモノを言う、と。

 

どうも、海外の市場関係者のなかには、このような大災害に見舞われると、日本は大量の資金を
海外から回収する筈だ、という見方をする人が多いようなのです。

 

先行きの見通しが不透明になり、不安が募るとき、一番頼りになるのは現金!

 

だから、少しでも手持ちの資金を厚く確保しようと考えるのが人の常!

 

海外の市場関係者がそのような発想をするから、大規模な資金の逆流が起きる筈だという見方が
増え、だから円高になるのです。



以上



http://klug-fx.jp/ogasawara/2016/04/18/025652.php



全く海外の市場関係者は、迷惑な迷信、思い込みを抱えてますねぇ。
もう日本にとっては迷惑以外の何物でもありません。
通常、このような大災害が起きれば、復興のために物入りはあります。
が、対外資産を切り売りするかと言えば、そんなことはしません。
あくまでも自腹で補正予算を組んで対応します。
首都圏直撃の関東大震災クラスだった場合は、分かりませんが...。
その時は、米国債などを売って、復興の手当にするかもしれません。
九州地方に部品等の生産拠点を持つ、少なからずの大企業が、生産の
一時停止に追い込まれています。トヨタソニーに...。
普通なら相対的に弱くなったから、円安なんですけどね。