悪循環を断つ

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為替介入の効果を削ぐ米国債購入



突然ですが、よく、不胎化が為替介入の効果をなくしてしまう、なんてことが言われます。
少々難解な話で恐縮です。
不胎化とは何かと言えば、政府の指図を受け日銀がドル買い円売りの為替介入をすると、
市場に円が放出される訳ですが、その市場に放出された円をオペを通じて日銀が吸収する
措置を言います。



かつて日銀を目の敵にしていたリフレ派の人々などは、日銀がそんな余計なことをするから
介入の効果を削いでしまうとよく批判したものなのです。
今でもそのような考えをする人は多いかもしれません。

 

しかし、日銀としては、為替介入は財務省の所管であるが、金融調節は日銀の所管なので
あって、日銀は為替の話とは独立して金融市場の需給バランスを考えているのだから、
不胎化のためのオペを行うことについて、とやかく言われる筋合いではないとの考えでした。

 

どちらの考えが当たっているのでしょうか?

 

確かに不胎化のためのオペ、つまり市場に放出された円資金を吸収するようなことを日銀
がわざわざする必要はないという気がしないでもありませんが...しかし、その一方で、
そんなことにそれほど拘る必要はないのではないかとも思うのです。

 

何故かと言えば、そうやって市場に円資金が放出されたとしても、それが為替市場に流れて
いく可能性が小さいのであれば、為替レートに与える影響は殆どないからなのです。

 


でも、リフレ派の人々は、そのような考えをしません。彼らは、世の中に出回っている円
とドルの量の割合が為替レートを規定すると考えるので、そうやって不胎化のオペを日銀
が行えば、市場に出回る円がその分少なくなるので、円高の圧力がかかってしまうと主張
するのです。

 

しかし、リフレ派のそのような主張が、如何に根拠レスであるかということは、ここ数年
の日米の金融政策を注意深く見てきた人にはすぐに分かることなのです。

 

というのも、確かにアベノミクスがスタートして暫くの間は急速に円安が進んだのですが、
その後、日本は黒田バズーカ2という追加緩和策を打つ一方で、米国は量的緩和策及びゼロ
金利政策を終了させるなど金融政策の方向を大きく転換した訳ですから、理屈の上では、
さらに円安が進んでいい筈なのに、実際にはもう何カ月も円高が続いているからなのです。

 

おかしいでしょう?

 

ということで、私は、不胎化云々が為替介入の効果を削いでしまうという議論には、これ
まで余り関心が向くことはありませんでした。
ただ、いずれにしても、過去の為替介入を改めて見直してみると、その規模が非常に大きく
なってきたのにも拘わらずそれほどの効果があったとは思えないことも事実なのです。

 

では、何故為替介入には効果がないのでしょうか? 

 

私、改めて考えてみたのです。

 

分かりました。

 

そ・れ・は...政府はドル買い円売りの為替介入をすると、それによって得たドルで、必ず
と言っていいほど米国債を購入するでしょう?
それがいけないのです。
何故、米国債を購入してはいけないのか?

 

日本政府が為替介入をするとき、最近では数兆円規模、これまでの最大の規模だとたった1日
で8兆円を超すような介入もある訳で...その8兆円が全て米国債に投資されると、どうなり
ますか?

 

米国債に対する需要が突然増加し...そうなると米国債の価格は上昇、イコール金利の低下と
なります。
米国債の利回りが低下し、その一方で日本国債の利回りに変化がなければ、日米金利差が縮小
します。
そうなればドル安円高の圧力がかかるでしょう?

 

だから、どれだけ大規模な介入をやっても...というか大規模な介入であればあるほど、米国債
の利回りを引き下げる効果があるので、介入による円安ドル高圧力と、米国債購入による円高
ドル安圧力がそれぞれの効果を打ち消し合ってしまうのです。

 

ということで、今後、仮に為替介入をする際には、決して米国債を購入せず、例えば株式や金
などの購入に充てることが望まれると言えるでしょう。
もっとも、金の購入については、余り目立つ格好で行うとドルの暴落を引き起こしかねないので、
世間の注目を集めない形で行う工夫が必要です。


以上



http://klug-fx.jp/ogasawara/2016/04/15/025640.php

嘘か真か、真偽のほどは定かではありませんが、日本政府が
買った米国債は、米国政府管理の金庫にあるそうです。
債務者の手元に債権があるなんてね、おかしいですよね。
金とかプラチナなどの商品なら兎も角…。
いや、外国債も商品も、この日本で管理すべきでしょう。
現在の円高ドル安は、円高ではなく、ドル安に要因があります。
FRBがゼロ金利解除を断行しても、余りに緩慢な利上げに
留まっています。日米金利差もほぼありませんね。
ドル買い→米国債購入→米国債価格上昇・金利低下→ドル安
政府が通貨介入する際は、この悪循環を断つしかないですね。