正しい姿に戻せ!?

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「小幅でゆっくり」でも怖い米引き締め



2008年のリーマン・ショック以来初めてとなる米利上げが視野に入り、世界の市場に緊張感
が高まってきた。市場関係者の間では、「景気に配慮して、引き上げは小幅でゆっくり」と
いう見方が増えている。だが仮にそうだとしても、それが市場にとっていいかどうかは議論
の余地がある。



■1994年の利上げはメキシコ通貨危機の引き金に


 
市場の関心は18日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に出る声明だ。
最短で6月の利上げをにじませる内容になるとの見方がある。

 


市場関係者が米利上げを警戒しているのは、金融危機と密接な関係にあるためだ。
1994年からの利上げはメキシコ通貨危機につながり、97年の利上げ後にはアジア危機やロシア
危機が続いた。ドルは世界でもっとも使われている通貨であるため、米国の金融引き締めが
もたらす影響は大きい。



今回の利上げを巡っても、市場は神経質な反応を示してきた。13年以降は利上げの「前段階」
としての量的金融緩和の縮小が進むにつれ、新興国の市場が荒れた。
投資マネーが新興国に向かっていたのは米国の金利が超低金利政策で低く、運用益が稼げない
からだ。米金利が上昇すれば、リスクの高い新興国に投資しなくても利回りが得られるため、
マネーが新興国から逃げ出すという読みが働く。




■米利上げ観測が招いたインドネシアの苦境


 


最近のインドネシアの苦境の背景でもある。通貨ルピアが対ドルで、金融危機だった90年代末
以来の水準に急落している。同国政府は16日、輸出を重視する企業向けの税制優遇などを柱と
する経済対策を発表した。経常赤字を圧縮し、外国マネーの信頼を獲得するのがねらいだ。

 


インドネシアのような国にとっての朗報は、米国が利上げするにしても小幅で、回数も少ない
という見方が増えていることだろう。


 


「6月から(政策金利を)0.25%ずつ上げたとしても年末まで。1%前後で(利上げは)ストップだ」。
日経ヴェリタスは今月、著名投資家である米ヘイマン・キャピタルのカイル・バス氏の見方を紹介した。
米景気の回復に不安が残っているためで、緩和を好む「ハト派」として知られる米連邦準備理事会
FRB)のイエレン議長らしい判断ともいえる。




「次にバブルが崩壊したら危うい」と警告するジム・ロジャーズ氏
一方、そんな優しい姿勢こそを恐れるカリスマ投資家もいる。筆者はシンガポール在住のジム・
ロジャーズ氏に、利上げで世界の市場が荒れた場合のシナリオを聞いたことがある。




■リーマン危機時より膨らんだ債務


 

「イエレン議長は、市場の悲鳴を聞いてもう一度緩和の姿勢を見せるだろう。その結果、バブルは頂点
に向かう」。最後はFRBが救ってくれるという安心感が生じ、マネーは遠慮なくリスクを取り続ける
というわけだ。「次にバブルが崩壊したら危うい。債務は米国でも世界でも、リーマン危機の時より膨
らんでいる」とロジャーズ氏は続けた。

 


「危機→金融緩和→バブルの生成と崩壊」。世界はこのサイクルを繰り返してきた。
この過程で債務は増え続け、リスクは高まっていった。リーマン危機の前、この危うさを「スーパー・バブル」
と警告したのは、ロジャーズ氏の盟友だった著名投資家のジョージ・ソロス氏である。

 


イエレン議長は世界の市場や景気に目を配らせる一方、ロジャーズ氏やソロス氏のようなマネーの担い手
にも見透かされないよう、周到に手を打つ必要がある。利上げが始まれば04年以来のことだ。
10年に一度の大仕事が迫ってきた。



→ http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84481300X10C15A3000000/?dg=1



今のゼロ金利が異常な事態なんですよね、これがまた。
そして金融機関から安い金利で金を借りて、投資をしているのが
少なくない機関投資家の姿。
そして発展途上国での高い運用利回りを喰い散らしているのであり
通貨は勿論ドル建てです。
途上国にとっては、高い利回りを約束しても、貴重な米ドルでの投資は
歓迎されるものです。
そして米ドルが、米国の(長期)金利の上昇ともなれば、発展途上国
における利回りほどではありませんが、米ドルが安全な資産である
米国債社債その他の資産に戻る可能性は大きいですね。
躊躇なくリスクテイクから手を引きます。
途上国から一斉に米ドルが逃避してしまっては、途上国はたまった
ものではありません。
今の株高は、金融緩和措置でじゃぶじゃぶ溢れているマネーの行き場所
となっているからです。
FRBが利上げを匂わせたら、日本の株式市場にも影響を与えるでしょう。
東京市場の売買代金の半分以上が、外国人投資家であることを忘れては
なりません。
また、銀行預金は嘘のような金利になっており、こちらも異常事態ですね。