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市場の関心は円安進行 株買いに動けぬ事情



「円安=株高」の構図が通じにくくなってきた。9日は外国為替市場で円相場が約5年11カ月ぶりに1ドル=106円台
まで下がったが、日経平均株価は小幅高にとどまった。
最近は朝方買われても大引けにかけてじり安になる展開が続いており、日経平均が陰線(始値よりも終値が低い状態)
を引くのは5営業日連続だ。かつて日経平均の上昇を支えた円安が効かなくなったのは、消費増税後の景気の先行きに
対する懸念が強まりつつある点が影を落としている。




「『円安だから株高』というロジックは通用しなくなってきた」――。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノ
ミストは日に日にこの思いを強くしている。
ニューヨーク市場で円安が進んだ日本時間9日の未明。米シカゴ先物市場では日経平均先物9月物にヘッジ目的の買いが
入り、中心限月終値ベースで約7カ月半ぶりの高値を付けた。
東京市場でも朝方は買いが先行したが結局、取引開始直後が最も高く、次第に売りに抑えられる展開をなぞることになった。
終値は44円高だった。

 


最も円安に敏感なはずの自動車大手ではトヨタ自動車が0.3%高。ホンダ、マツダも1%程度の上昇率にとどまった。
同じ円安局面でも2013年の上昇相場の原動力だった「円安=株高」の構図は見る影もない。
「自動車株にも反応が広がらず、全体としてはエネルギーを欠く1日だった」(国内運用会社の幹部)。

 


株価の上値を抑えているのは、国内景気の先行きへの懸念だ。
ゴールドマン・サックス証券は向こう3カ月間の日本株の見通しを「弱気」に引き下げた。
「マクロの逆風が強まっている」ことが理由という。
QUICKが国内機関投資家を対象に実施した9月の「株式月次調査」によると、「(秋以降の国内景気は)足踏みが続く」
との見方は全体の3割を占めた。



4〜6月期の実質国内総生産(GDP)が下方修正されるなど国内の景気指標の弱さが投資家を慎重にさせている。
東京株式市場の売買代金は活況の目安とされる2兆円を連日下回っている。こうした慎重ムードは106円台下落でも変わらず、
むしろ円安の「負の側面」に意識が向かいやすくなっている。「円安でも企業の輸出数量が伸びず、今度は輸入物価の上昇に
よる家計へのダメージが意識されるようになってきた」(みずほ証券の上野氏)。

 

その結果、「マクロ系ヘッジファンドの間で株式への投資をいったん止め、為替市場に集中する傾向が出てきた」とBNP
パリバ証券の岡沢恭弥株式・派生商品統括本部長は指摘する。
為替市場では米金利上げの前倒し観測によるドル高基調や、欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和と円安進行を裏付ける
材料が盛りだくさん。日銀の黒田東彦総裁が「今の水準から円安になることが日本経済に好ましくないとは思っていない」
と話したと伝わり「国内でも円安を容認していると捉えることができた」(岡沢氏)。
株式市場の値動きが鈍く利幅がとれないことと相まって、自然と関心が為替市場に向かいやすくなっている事情もあるようだ。

 


日本株だけ動きが鈍い状況はしばらく続くのか。まずは今後明らかになる景気指標で、どの程度足踏みが続くのかを見定める
必要がありそうだ。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎・経済調査部部長は「発表が近づいている機械受注統計や貿易統計
で改善傾向を確認し、景気への見方が明るくなるのが条件」と話す。10月初旬から始まり、消費増税の影響を色濃く受けている
小売り各社の決算動向も、先行きを占う重要なサインとなる。



→ http://www.nikkei.com/markets/features/30.aspx?g=DGXLMSGD09H0K_09092014000000


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日本が輸入に頼っている代表的なものは、原油、LNG(液化天然ガス)、
衣類、石油製品、食料品、非鉄金属などです。
円安になると輸出品は伸びるでしょうが、逆にこれらの輸入品が値上がり
家計や企業に跳ね返ってきます。 ガソリン価格などが良い例でしょうか。
米株高、円安になっても、景気の先行き不安、足踏み状態を見越した場合、
株式市場に資金の流入は先細りになってしまいます。
消費税の10%への増税は、GDP等の国内景気を勘案して決めるそうですが
ちょっと苦しそうですね。
景気も税収も上がらずに、財政出動に頼るのは、国の財政体質を不健全な
ものに歪めてしまいます。
黒田日銀総裁は、手元にカードがあるのでしょか。
今朝、8:50に7月の機械受注の発表があります。
企業の先行投資を確認する意味で、重要な指標です。
さて、どうなることやら…。