デフォルトはデフォルト…

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アルゼンチン、視界不良 交渉決裂で一部債務不履行



南米アルゼンチンの先行きが視界不良に陥った。
債務返済を巡る米投資ファンドとの交渉が決裂。
格付け会社から一部債務不履行(デフォルト)と認定されたためだ。
世界の金融市場への影響は限られる見通しだが、同国の主要株価指数は31日、前日終値に比べ
一時7%超下落した。



「取引は無意味だ」。30日夜、アルゼンチンのキシロフ経済財務相はニューヨークで開いた記者
会見で、交渉相手の米ファンドを「ハゲタカ」「強欲」と繰り返し非難した。一般の海外債権者
への利払い猶予期限まで続いた交渉は決裂。利払いは滞ったもようだ。

 


格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は同日、アルゼンチン国債の長期信用
格付けを一部債務不履行を意味する「SD(選択的デフォルト)」に格下げした。
同国の「デフォルト」は2001年12月に対外債務の支払い停止を宣言して以来、約13年ぶりだ。

 


だが今回はアルゼンチン政府に支払い能力がないわけではない。現状は手続き上、利払いが滞った
形式的なデフォルト状態。ロイター通信によると、カピタニッチ官房長官はデフォルトではないと
強く主張した。

 


アルゼンチンは01年のデフォルト以降、国際金融市場から事実上締め出されている。
同国の国債は市場でほとんど流通しておらず、日本の金融機関や投資家が持つ同国国債もわずかとみられる。

 


ただアルゼンチンの信用力の低下は免れそうにない。同国の通貨ペソは31日、非公式レートで1ドル=
13ペソ程度と、前日に比べて5%ほど下落して取引されている。インフレ率は一段と上昇する公算が大きい。
景気低迷の長期化で、ブラジルなど周辺国の輸出が下押しされる可能性もある。

 


アルゼンチン政府と米ファンドは交渉を継続する方向だ。米調査会社ユーラシア・グループのダニエル・
カーナー氏は「民間が関与した解決策があり得る」と語る。アルゼンチンの民間銀行がファンドの保有する
債権を買い上げる案などが浮上しているもようだが、問題解決までに時間がかかるのは確実な情勢だ。



▼アルゼンチンの債務問題 アルゼンチン政府は2001年に対外債務の支払い停止を宣言し、債務不履行
(デフォルト)に陥った。海外債権者の約9割は債権の一部放棄(債務の一部削減)に応じ、新たな国債
と交換した。この国債の利払いは続いていたが、一部の米投資ファンドが全額返済を求めて提訴した。
米裁判所は6月、ファンドに全額返済しない限り、国債の利払いを認めないと判断。
アルゼンチン政府とファンド側で調停協議が続いていた。



→ http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM3101M_R30C14A7EA2000/



今回は手続き上の問題でデフォルトに陥りましたが、同国の外貨準備は
280億ドル以上で、利払いの意思も能力もあるとして「デフォルトではない」
と強調しています。
しかし、形式的にしてもデフォルトはデフォルト。
米ファンドが「ハゲタカ」「強欲」だろうと債権者は債権者。
彼らだって後ろには出資者がいて出資者の金で運用してますから、
そう簡単には引くことは出来ません。
国際金融市場・資本市場は、今後もアルゼンチンを見る目は厳しいものに
なるでしょう。