米国の怒り

競馬


融和策に限界「中国はやはり敵」 
硬化するワシントンの対中姿勢
 




「中国はいまや全世界の平和と安定と繁栄への主要な脅威となった!」
米国議会下院外交委員会の20日の公聴会ではこんな強硬な言葉が出た。
米国の対アジア政策についての討議、かねて対中強硬派とされる共和党のデーナ・ローラバッカー
議員の発言だった。だが他の議員らからは反対の声は出ない。



しかもオバマ政権を代表する証人のダニエル・ラッセル国務次官補も、ベトナム排他的経済水域
EEZ)内での中国による石油掘削を「一方的、武力的、違法」などと激しく非難した。
いまやワシントンの国政の場では中国への姿勢が超党派で劇的に硬化した。
オバマ政権の誕生以来5年半近く、ついに米中新冷戦が本格的に始まったようなのである。

 


異様な急ペースの大軍拡、東シナ海での防空識別圏(ADIZ)の一方的宣言、尖閣諸島沖縄県
石垣市)での恒常的な領空領海の侵犯、南シナ海での無法な領有権拡張、対米サイバー攻撃、そして
他国領土を強引に奪うロシアへの接近…中国の国際規範無視の荒っぽい行動はついに米国側の忍耐
の限界を超えたという感じなのだ。

 


最近ではさらに中国軍の房峰輝総参謀長が訪米し「アジアでの紛争は米国のアジア政策のせいだ」
と非難した。習近平国家主席は上海での「アジア信頼醸成措置会議」で「アジアの安全はアジアの
人間が守る」と述べ、事実上、米国のアジア撤退をも求めた。

 


こんな現状は米側では以下のようにも総括された。「中国に対し米側には伝統的に『敵扱いすれば、
本当に敵になってしまう』という自粛が強く、中国を『友好国』『戦略的パートナー』『責任ある
利害保有者』『核拡散防止の協力国』などとして扱ってきた。
だが40年ものその融和にもかかわらず、中国はやはり敵になってしまった」
(元国防総省中国担当ジョー・ボスコ氏)





オバマ政権の対中融和政策は実にけなげだった。中国を既存の国際社会に普通の一員として迎え入れ、
既存のルールを守らせようと努力した。日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」
という表現をも思わせるナイーブな姿勢だった。

 


オバマ大統領は4月のアジア歴訪でも中国の領土拡張への堅固な対応を語る一方、中国への平和や友好の
アピールを繰り返した。だがオリーブの枝は中国の無法な言動に排され、米国内部で中国への反発が高まった。
「中国はアジアの平和と安定の基礎となってきた国際秩序を確実に侵食している」(アジア安全保障専門家
ブラッド・グロサーマン氏)という認識が定着したといえる。
その背後にはオバマ政権の対応が弱すぎたことが中国の拡張を許したという批判が広がっている。

 


そうした中国がいまやロシアに接近する。この両国が連帯して米国に対抗するとなると、世界の安全保障
構造は根本から変わるわけだ。そんな世界大動乱の危険のなかで集団的自衛権での国際連携に反対する
日本内部の勢力が描くのは、砂に頭を突っこむことで見たくない現実から目を背ける、ダチョウの平和だ
ともいえそうだ。(ワシントン駐在客員特派員・古森義久



→ http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140526/frn1405261531006-n1.htm



もうそろそろ寛大であり続けた米国の堪忍袋の緒が切れたという
ワケですね。 そりゃこれだけ裏切り続けられれば我慢にも限度
があります。 中国は米国の寛大さに甘え、いや甘えてではなく
狡猾に利用、付け込んだだけですね。
中国の異常とも言える大軍拡と、周辺他国の領海に対する侵攻に
よる実効支配と資源の掘削。 これ全部一連の流れとして繋がって
いますよね。 
このような中国の振舞いは収まるどころか、大軍拡を背景に拡大
する可能性が大きいでしょう。